25 彼女とアイスを食べっこする

 学校からの帰り道。


「ねえ、翔太くん」


「なに、真由美ちゃん?」


「あのアイス屋に寄りたいな」


「ん?」


 見ると、アイスの移動販売をやっていた。


「良いね、食べよう」


 僕は真由美ちゃんと一緒にアイス屋に向かう。


「いらっしゃいませ~」


「うーん、どれにしようかなぁ」


 真由美ちゃんは唇に指先を添えて悩んでいる。


 可愛いなぁ。


「ねえねえ、翔太くんはどれが良いと思う?」


「そうだね……僕はブルーハワイかな。真由美ちゃんはストロベリーとかどう?」


「じゃあ、それにする」


 僕らはアイスを買い終えると、近くのベンチに座った。


「いただきます、と」


 僕らはアイスを食べる。


「う~ん、美味しい」


「何か、女子とアイスの組み合わせって良いよね」


「そうかな?」


「うん、可愛いよ。真由美ちゃんが可愛い」


「やだ、もう……あっ」


 照れた拍子に、真由美ちゃんはアイスを落としてしまった。


「ご、ごめん。僕のせいで」


「う、ううん。私が悪いの」


「じゃあ、僕が新しいのを買って来るから……」


「待って」


 真由美ちゃんが僕の手を掴んで止める。


「良ければその……翔太くんのアイスを二人で食べない?」


「えっ?」


「ダメかな?」


「いや、僕は全然良いよ。真由美ちゃんが良ければ」


「じゃあ、食べよ?」


 僕は座り直すと、


「じゃあ、どうぞ」


 真由美ちゃんにアイスを手渡そうとするg、なぜか受け取ってもらえない。


「真由美ちゃん?」


「……翔太くんが、食べさせて?」


「えっ」


 戸惑う僕のことを、真由美ちゃんがじっと見つめて来る。


「わ、分かったよ」


 僕はアイスを真由美ちゃんの口元に寄せる。


 すると、真由美ちゃんは小さく一口食べた。


「……うん、美味しい」


 そして、ニコリと笑う。


「よ、良かったね」


「じゃあ、今度は翔太くんの番」


「へっ?」


 きょとんとする僕の手からアイスを取ると、今度は真由美ちゃんが……


「翔太くん。はい、あーん♡」


「あ、あーん」


 僕は尚も戸惑いつつ、パクっとした。


「どう? 美味しい?」


「う、うん」


「じゃあ、今度は私に食べさせて?」


 それから、交互に食べさせ合う。


 ブルーハワイのアイスは少しずつ減って行くけど……


「あ、大変。溶けて来ちゃった」


 真由美ちゃんが言う。


「ごめんね、私のせいで」


「いや、気にしなくて良いよ」


「けど、手がベトベトになっちゃう」


「近くに手洗い場があるから、平気だよ」


「翔太くん……」


 すると、真由美ちゃんはなぜか、僕の手をじっと見つめている。


 それから、かすかにコクリ、とその細い喉が動いたように見えた。


 そして……


「えっ」


 真由美ちゃんは、遠慮がちに僕の指を咥えて、それから舐めた。


「んっ……はっ……」


 わずかばかり、吐息を乱しながら。


 僕はそんな真由美ちゃんを呆然と見つめていた。


「……ごめんね、翔太くん」


 僕の指を舐め終えた真由美ちゃんが顔を上げて言う。


「お姉ちゃんのせいで……ううん。翔太くんのことが好き過ぎて……エッチな子になっちゃった」


 僕と付き合う前は、とにかく爽やかさが魅力的だった真由美ちゃん。


 けれども、今ではすっかり、こんなにもエッチな女の子に……


「幻滅した?」


「……正直に言って良い?」


「うん」


「メチャクチャ興奮する」


「それって、嬉しいってこと?」


「まあ、そうだね」


 僕は照れながらそう答える。


「じゃあ、翔太くんのために……もっとエッチな子になっちゃおうかな」


 真由美ちゃんは僕に寄り添って、上目遣いにそう言った。


「……か、可愛い過ぎるから、少しだけ手加減してくれる?」


「ダーメ♡ だって、お姉ちゃんっていう手強いライバルがいるんだもん」


「ダ、ダメだよ。姉妹で仲良くしないと」


「それは翔太くん次第だよ。ちゃんと私もお姉ちゃんも、平等に愛してね?」


「も、もちろんです」


「けど、昨日はお姉ちゃんとの回数の方が多かったよ。やっぱり、巨乳の方が興奮するの?」


「そ、そんなことは……えいっ」


「あっ! ちょ、ちょっと、こんな所で胸を……」


「僕はこの手の平に収まる真由美ちゃんのおっぱいも好きだ」


「も、もう、エッチな翔太くん」


 それからしばらく、ベンチでくっついていた。







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