第55話 私と天使(妹)と数ヶ月
「お姉ちゃん、朝だよ。起きて!」
「う、うん…おはよ……」
あれからあっという間に数ヶ月の時間が流れた。あの日、チューバパートでいくつか取り決めをした。あの日以来、私は…こう先輩を好きでいるのをやめた。
最初は辛かった。でも、その辛さを…私の天使が癒やしてくれた。それでも、諦められたわけでもない。私はまだ…好きと心の中で思っている。
「お姉ちゃん、早く行かないと遅刻だよ!ほら、トースト焼いてあげるから早く着替えてよ!!」
「はーい」
私は髪とか整えたり顔を洗い歯磨きして着替えを済ませる。
「ほら、お姉ちゃん、トースト咥えて…行くよ」
「ふぁーい」
妹が焼いてくれたトーストをあーん。(私の口に咥えさせただけ)してくれたので私はトーストを口に咥えてアパートを出る。
「え、みゆも来るの?」
「え、当たり前じゃん。宇佐美さんにも来て〜って言われてるし」
「ちゃんと大人しくしてなよ〜」
「はーい」
今日はリハーサル練習…明日のコンクールへの最終調整の日だ。妹はコンクールに出られないから今日来ても何もすることがないのでお留守番しているかな。と思っていたが、練習を見学したいらしい。
妹はあれからもユーフォニアムを続けている。今はチューバしか吹いていない私より上手かもしれない。サークルのおかげで妹は…明るくなった。私以外の人とも関わるようになった。やっぱり、私にはそれが本当に嬉しい。
「おはようございます」
「みことちゃん、おはよう」
「おはよう…」
ホールに到着して妹と分かれて私はチューバパートが集まっていた場所に向かう。数ヶ月、長い時間を使った。いろいろあった…でも、こうして3人で明日の本番を迎えることができた。
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