第96話結成バレタニア連合軍 その弐
「では、殺されるまでの経緯をお話しします。私の夫はセリエ様暗殺の為にバレタニアを訪れました。勿論、私がそれを知ったのは夫が死んだ時ですが」
「信じられません、貴女がお父様とどのような関係であれど、暗殺者の妻をこの会議に出席させるなど、正気の沙汰とは思えません。私達鉄騎隊は貴方の夫による行動で重傷者を出した上、まだ目を覚まさない隊員もいる」
サラの発言に対し反論はマリンから出た。そうだ、俺の、我の、僕の家が壊されたのはミヒャエル・グッシードのせいだ。でも、、、殺したのにサラまで殺すのか?僕は。
「マリン、落ち着け。憎いのは俺も同じだ。例え旧友と言えど、、、腹を抉り、肉を喰らってやりたい。だが我慢しているんだ」
演技とはいえ魔力を放出し、姿を少しずつ龍へと変化させる。威圧にはぴったりだ。
「へぇ、バロが厄災って本当だったの。まぁ、戦友に武器を向けない、親友だしね」
「以外だな。ディスタ、君になら討たれても良いと思ったんだが」
「嘗めないでくれないか?親友、僕は別に厄災を倒したい訳じゃない。ソルジャーになったのは偶然だもの」
結局脱線してしまった。が、取りあえずサラの話は進みそうだ。文句を言いたい奴がいたら、威圧するだけだしな。
「、、、夫は口封じの為ソルジャーに殺されました」
「それに関しては事実だ。俺が保護した奴の中にソルジャーに襲われたと言った女兵士がいる。話せればより、状況を理解できるだろう」
「う~ん、しかしソルジャーか」
俺とディスタを見ながらバレットが唸る。
「バレタニア襲撃にソルジャーが協力していた。最悪な場合だが俺とディスタ以外、、、敵になったと仮定して良いだろう」
「そうですね、僕とバロがいても正直ソルジャーの相手は辛いでしょうね」
今度はマクドネル大佐が悩んだ声を出す。そして、 沈黙が場を支配しようとしたその時、乱入者が現れた。
「話は聞かせてもらった」
武器を持つ者は構え、ドアを向く。そして、乱入者は堂々と会議室に入ってきた。
「カーヴィー師、何故貴方が?遊撃士は政府には関係しないのでは?」
「あぁ、今回はカール市長からの手紙を私に来ただけだ。返事は3日以内に頼みます、ハーファシー辺境伯爵」
カーヴィー師はそれだけ言うと会議室を後にした。何が「話は聞かせてもらった」だ、ただのメッセンジャーじゃないか。しかし、先程からバレットの顔がおかしい。みるみる青くなっていく。
「、、、バロ、お前はフォレスタで何をした?何故軍事協定ができている?ここにはフォレスタが全面的に此方を支援すると書いてある。更には兵士は派遣できないが軍医や武装は、、、お前達は何をしてきた?最後にはこうた、セリエ様貴女は面白い。まさか反旗を翻すとは、貴女の同盟国として多大な支援をだ。おい、本当に何をした!」
バレットから問い詰められるがそれに関しては俺ではない。
「セリエ様のご決断だ」
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