第39話相談事

帰宅してすぐに玄関の掃除を始める。すると、鉄騎隊のメンバーではない女性が現れた。どうやら誰かを探しているようだ。


「えー、あり得ないでしょ。ここ女性寮よしかも、、、(ブツブツ)」


「すみません、どうかしましたか?」


「はい、私は、、、あっ!ランバースさん、どうしたんですかその格好!」


「奥へどうぞ、コーヒーを出しますよ。」


来たのはアドベンチャーギルドの受付、今日も顔を合わせた人物だ。


「それで、どのような御用件で?」


「いえ、、、定期的にアドベンチャーの依頼も受けて貰えないかと。この街には実力者が確かにいます。騎士団も他の領地と違って精鋭が揃っています。しかし、それでも手が足りないのです。我々ギルドはソルジャーの、貴方の力を借りたいのです。」


想像よりも斜め下の内容で正直呆れが止まらない。ソルジャーを動かすには依頼(クエスト)ではなく要請(オーダー)が必要なのは解っているはずなのに。


「要請はあるのか?」


「!」


「はぁ、ソルジャーはアドベンチャーと違って常に居場所を報告する義務がある。要請が有ればこれは無効だが、、、」


「!もう、良いです。」


ダン!とギルドの受付は机を叩いて立ち上がった。どうやら返事をしなかった俺に対し、怒りを覚えているようだ。


「これはベヒモスの討伐報酬です、それで」


「待て。」


「何ですか!これ以上話すことは!」


「折角、お客人の為にコーヒーを入れたのに捨てるのは勿体無い。飲んで行け。」


いぶしげな顔を隠す事をせず、受付はコーヒーを飲んだ。


「、、、美味しいです、それでは。」


ただ感想を一言のべると受付は第四棟の敷地から消えていった。


「とんだお客様ですね、さて掃除に戻りますか。」


何時もと変わらず第四棟の手入れを開始します。花壇、テント周り、廊下、お風呂、トイレ、武器庫、武器庫は騎士剣だけでなく魔導兵器なども置いて有ります。勿論、全ての手入れは使った本人。保険で僕が。


「えーっと、刃欠けは無し、弾薬も問題ない。他は、、、グレネードが足りないか。発注かけないと。」


武器庫の掃除と確認を終えると、ちょうど鉄騎隊の方々が帰宅してきました。鉄騎隊の方々は顔に不満を浮かべ、テントへと入って行きます。一様、管理人としては看過できません、直ぐに副長さんの所に向かいました。


「お疲れ様です、今日は早いですね。」


「あぁ、管理人殿。、、、申し訳ない少し時間を取れるだろうか。」


「大丈夫ですよ、、そうだ。なら僕の部屋で話しましょう、良いコーヒー豆が手に入りまして、、、。」


「いや、ここで良い。座ってくれ。」


「どうしました?」


「いや、実はな我々の拠点設営の件だが。」


「あー、無理ですね。今は大部分を鉄騎隊のテントが占めています。いくら建築魔導師を呼んだとしても最低一週間はかかります。」


「ん?しかし防壁は直ぐに建てただろう?」


「えぇ、建てました。しかし、あれはただの壁です。物見櫓も、防衛設備も着いてはいません。あり得ない程の魔力を流したので強度は、、、多分戦車の主砲位では壊れないと思いますが、それだけです。つまり硬いだけの壁だから作れたんです。地下施設だってそうです。あの地下基地、何処にあると思います?解らないんです。無理矢理余りある魔力を持たされ、死ぬ寸前で無理矢理造った物です。一様、転移魔法でこの国の何処かにあるのは解ります。皆が基地に行くために使ってる階段、あれも転移の魔導具なんですよ!」


「管理人殿、落ち着け。話が脱線している。個人的には地下基地の場所は気になるが、、、地下基地に増設は駄目なのか?」


「一様、仮眠室は有りますよ。でも、皆さんは個室が欲しいんでしょ?、、、例えばマグマ溜まりの下とかだったら」


「いや、一度確かめて見た方が良くないか。私達だけでなく、他にもそうだ。あの三人を呼ぼう。確か、管理人殿と仲が良かったよな。」


三人、彼女達ですね、まぁこの前殺されかけ

ましたが。


「わかりました、では直ぐに行きましょう。善は急げですよ。」


僕はそう言って三人を呼んで地下基地に入りました。


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