第448話 反省





「で、ゲーセン来たのはいいけど何する?」

「うーん。そうだね…私も久しぶりでわからないから…よく来てるりょうちゃんとまゆちゃんに何するか決めてもらおう」


りっちゃんさんに春香が若干僕とまゆをジト目で見ながら答える。これ、絶対後で春香とゆいちゃんに何か要求されるパターンだ…さっきから春香とゆいちゃんがあーじゃない。こーじゃない。とひそひそ話で話をしているのがいい証拠だ。


「で、りょうちゃんとまゆちゃんはいつも何してるの?まさか2人だけでいちゃいちゃとプリクラ撮ったりはしてないよね?」


してます。とは僕もまゆも口が裂けても言えないが、春香とゆいちゃんにはバレてるんだろうな……


「え、えっとね。えーっと、あ、うん。クレーンゲームでぬいぐるみとか取ってもらったりしてるかな…」


2人だけでプリクラ撮ってないよね?と言われ、まゆはめちゃくちゃ動揺しながらまた言ってはいけないことをペラペラと春香とゆいちゃんに話してしまう。


「へえ。まゆちゃんにだけ、プレゼント…ね。なるほどね。たまーにまゆちゃんの車にぬいぐるみが増えたり、いつの間にか私とまゆちゃんの部屋にぬいぐるみが増えたりしてたのはそういう事情があったんだね。知らなかったなぁ。まゆちゃんだけずるいなぁ」

「は、春香とゆいちゃんも欲しいのあったら取ってあげるよ」

「まあ、この話は帰ってからゆっくりお話しようね」


帰ったら何を要求されるのだろう。まあ、たしかに、まゆばかり贔屓にしてずるい。って言われたら反論できないから仕方ない。できる限り、春香とゆいちゃんの望みは聞いてあげよう。(僕に拒否権なんてないけど……)


「りょうちゃん、完全に尻に敷かれてますね……」

「あはは…そうだねぇ」


僕たちのやり取りを見ながら陽菜とりっちゃんさんがひそひそとそんなことを言っていた。たしかに、春香とまゆとゆいちゃんには絶対逆らえないけど、そういう言い方しないで……


「じゃあ、りょうちゃん、私とゆいちゃんが欲しいぬいぐるみ取ってくれるんだよね」

「あ、りょうくん、私、あれ欲しい」


春香とゆいちゃんはノリノリで僕に取って欲しいぬいぐるみを伝えてきたのだが、この前、まゆに取ってあげたぬいぐるみの色違いを春香もゆいちゃんも欲しい。と言ってきたので、なんだかんだでお揃いにこだわってくれるんだな。と嬉しくなった。やっぱり、まゆとだけ抜け駆けしてこそこそデートしてたのは反省しないと……


そんなことを考えながら春香とゆいちゃんにまゆに取ってあげたぬいぐるみの色違いのぬいぐるみを取ってあげる。春香とまゆとゆいちゃんに取ってあげたぬいぐるみの他にもう一色あったので、それを僕の分で取って4人でお揃いにした。


僕があまりにも簡単そうにぬいぐるみを取るから陽菜とりっちゃんさんからもあれ取って。といっぱいお願いされてめちゃくちゃクレーンゲームをした。





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