第373話 最高のプレゼント





「じゃあ、最初にこれから開けていい?」

「「「うん!」」」


大好きな3人の彼女からの贈り物を僕はそっと手に取って丁寧に包装を開ける。中身は……


「懐かしいね」


3人からの贈り物のページをパラパラと巡り、1つずつ丁寧に眺めながら僕は呟いた。春香とまゆと付き合って、そこにゆいちゃんも加わって、春香と一緒に暮らし始めてからの思い出が、そこにはいっぱい詰め込まれていた。


懐かしい思い出ばかりだった。春香と暮らし始めた日の写真、まゆと初めてデートして海に行った日の写真、ゆいちゃんと再会した日の写真、合宿の写真、夏休みの思い出の写真、旅行の写真、コンクールの写真、学祭の写真、そして、日頃の幸せな思い出の写真…


春香とまゆとゆいちゃんが僕にくれたたくさんの幸せが写真としてたくさん詰め込まれたプレゼントを眺めながら、僕は泣いていた。


「春香、まゆ、ゆいちゃん…本当に…ありがとう…いつも、春香とまゆとゆいちゃんが側にいてくれて…本当に幸せ…だよ……」


そう言って、3人を思いっきり抱きしめる。大好きな3人を抱きしめて、好き。ありがとう。これからもずっと側にいてください。と何度も何度も繰り返した。


「りょうちゃん、最後のページまでちゃんと見てね…」


春香にそう言われて、最後まできちんと目を通す。最後のページには春香とまゆとゆいちゃんからの寄せ書きが記されていた。


「りょうちゃん、これからもずっと、私の側にいてね。大好きだよ」

「りょうちゃん、まゆたちをいつも幸せにしてくれてありがとう。これからもずっと、りょうちゃんと幸せでいたいです」

「りょうくん、こんな私に好き。って言ってくれてありがとう。私もりょうくんのこと大好き。これまでもこれからもずっと、大好きだよ」


寄せ書きを見ながら、いっぱい泣いた。ページの関係上、小さな文字で詰め込まれた文章から、みんなの想いがいっぱい伝わってきたから……


そして、最後の最後に……


これからもいっぱい、たくさんの思い出を作ろうね。大好きだよ。春香、まゆ、ゆい。


と記されていて、新幹線のチケットが詰め込まれていた。


「次の週末、みんなバイトの予定入れてないからさ。さっそく新しい思い出を作りに行こう。いつも、私たちがいっぱいりょうちゃんを振り回しちゃってりょうちゃん疲れちゃってるだろうからさ、温泉行こ」


こんなに、幸せでいいのだろうか。本当に、僕みたいなやつがこんなに、幸せになってしまっていいのだろうか。


「春香、まゆ、ゆいちゃん…ありがとう…」

「りょうちゃん、泣きすぎだよ」

「大袈裟だなぁ」

「りょうくん、はい、ハンカチ」


めちゃくちゃ泣いてしまった僕を見て、春香とまゆとゆいちゃんは笑いながら泣いてる僕の世話をしてくれた。


「春香、まゆ、ゆいちゃん、本当にありがとうね」

「「「どういたしまして」」」


喜んでもらえてよかった。とか、いろいろな言葉をくれた。ありがとう。本当にありがとう。春香とまゆとゆいちゃんのおかげで、毎日が本当に幸せです。


だから…また、いつか、きちんと、お返しさせてください。僕も、春香とまゆとゆいちゃんには、感謝してもしきれないくらい、いっぱい、感謝してるから…いつか必ず、この幸せのお返しをします。それまで、ずっと、いつもみたいに、僕の側で、僕の隣で、僕と一緒に、いつもの幸せな日常を、過ごしてください。お願いします。





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