第342話 幸せな日々
4人でまた、新しい一歩を進んだ翌日、目を覚ましてからはずっと4人でいた。4人で朝ごはんを食べてちょっとぐだぐだして、お散歩して、一緒にお昼ごはんを食べて、ちょっとだけお昼寝した。
「じゃあ、春香、行ってくるね」
「行ってらっしゃい。みんなの分のご飯作って待ってるね」
玄関先で笑顔でそう言ってくれた春香を抱きしめてアパートを出てまゆとゆいちゃんとまゆの車に乗る。そして、ゆいちゃんのアパートでゆいちゃんを降ろす。
「ゆいちゃん、バイト頑張ってね」
ゆいちゃんを降ろす際に車に乗る前のじゃんけんで僕に勝っていたゆいちゃんの隣から、まゆの隣の助手席に移動するために僕も一度車を降りる。
「うん。頑張る!また後でね」
笑顔でそう言って両手を広げるゆいちゃんを僕は抱きしめる。先程、春香にしてあげたようにゆいちゃんを抱きしめてまゆの車に乗って、僕とまゆもバイトに向かう。
「りょうちゃん、今日もバイト頑張ろうね」
「うん。頑張ろう」
そう言って、車から降りた後、まゆもしっかりと抱きしめてあげる。幸せそうな表情をして、ありがと。と言ってくれたまゆと手を繋いで本屋さんまで歩く。
「あれ、ケンカップルはもう仲直りしたの?」
手を繋いでショッピングセンターの中を歩く僕たちの背後からニヤニヤと僕たちを見てみはね先輩が呟く。
「別に喧嘩してないもん…」
「またまた〜絶対、何かあったでしょう?昨日は本当に心配してたんだからね。まあ、仲直りできたならよかったよ」
そう言って、みはね先輩は本当に安心した表情をしてくれる。まゆは、喧嘩していたことを見抜かれてちょっと恥ずかしかったのか、少しだけ顔を赤くしていてかわいかった。
みはね先輩だけでなく、店長や他の人にも僕とまゆが喧嘩してた?とか言われて、今日のバイトはいつもの数倍疲れた…精神的に……
「めっちゃ疲れたね……」
「うん…」
バイトが終わって、まゆと手を繋いで駐車場まで歩く途中、まゆはぐったりした様子で呟いた。僕は今日、レジ担当でお客様とばかり接していたが、まゆは品出しとか裏の雑務をやっていて、店長とかいろんな人と話して、たぶん僕以上に精神的に疲れているだろう。
「まゆ、今日も本当にお疲れ様」
そう言ってまゆをギュッと抱きしめる。まゆはありがと。と言いながら抱きしめ返してくれた。
「りょうちゃんもお疲れ様」
「ありがとう」
そう言ってまゆの車に乗って、アパートに帰る前にバイト終わりのゆいちゃんを迎えに行く。
「りょうくん、バイトお疲れ様!まゆちゃんもお疲れ様です。わざわざ迎えに来てくれてありがとうございます」
そう言いながら、じゃんけんでまゆに勝ったゆいちゃんと一緒に後部座席に座るために一度車から降りた僕をゆいちゃんがギュッと抱きしめるので、僕もゆいちゃんを抱きしめる。
「ゆいちゃん、バイトお疲れ様」
そう言ってゆいちゃんを労いながらゆいちゃんと後部座席に並んで座ってアパートに帰る。
「りょうちゃん、まゆちゃん、ゆいちゃん、バイトお疲れ様。お腹すいたでしょう?夜ご飯できてるから一緒に食べよ」
僕たちが帰ると春香は笑顔で出迎えてくれた。春香が笑顔で出迎えてくれて、疲れが吹き飛んだ気がする。
「春香、ありがとう」
そう言って春香を抱きしめる。僕とまゆとゆいちゃんの帰りを待ってくれていたこと、4人分の夜ご飯を用意してくれたこと、笑顔で僕たちを出迎えてくれたこと、全てに対しての意味を込めて、ありがとう。と伝えた。そして、まゆとゆいちゃんにしてあげたように春香をギュッと抱きしめる。
春香を抱きしめた後は、4人でリビングで夜ご飯を食べる。夜ご飯を食べた後は4人でお片付けをして、2人ずつにわかれてお風呂に入って、今日あったことを話しながらデザートを食べて、テレビを見ながら4人でぐだぐだしたり、ゲームをしたりしてから、またじゃんけんで寝る場所を決めて、4人で眠る。
すごく、幸せで、すごく、平和な1日だった。こういった日々を、いつまでも続けたい。明日も、明後日も、1週間後も、1ヶ月後も、1年後も、これから先、ずっとずっと4人で幸せな日々を過ごしたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます