第224話 ゲーセン騒動
「ねー、りょうちゃん、春香ちゃん、ゲーセン行こうよ」
ショッピングセンターのレストラン街で昼食を食べた後、まゆが僕と春香に提案してきた。この後どうしよう。と考えていた際の提案だったので僕と春香はまゆの意見に賛成してショッピングセンターにあるゲーセンに向かった。
「ゲーセン久しぶりだなぁ。りょうちゃんと初めてお出かけした時以来かも」
「へー、まゆちゃん、りょうちゃんとゲーセン行ったんだぁ」
「うん。まゆの車にあるぬいぐるみはその時りょうちゃんがクレーンゲームで取ってくれたやつなんだよ。あとは、プリクラ撮ったりして楽しかったなぁ」
まゆが懐かしそうに言うと春香は頬を膨らませて僕を見つめてくる。まゆちゃんだけズルい。とでも言うような表情だった。
「私、りょうちゃんとプリクラで写真撮ったことないのになぁ…それに、ぬいぐるみまでプレゼントしちゃってズルい」
予想的中でした。はい。
「じゃあさ、春香と2人でプリクラ撮ろうか」
と僕が春香に言うと今度はまゆが頬を膨らませて僕を見つめて来たので、春香とプリクラ撮った後に3人でプリクラ撮ろう。と提案してまゆにも納得してもらった。
ゲーセンに到着してさっそく僕と春香は2人でプリクラを撮った。お互い緊張して謎の距離があるプリクラ写真が完成してまゆにめっちゃ笑われた。
「りょうちゃん…もう一回……」
「だーめ。今度はまゆも入れて3人で撮るの。春香ちゃんだけ2回目はズルいしね」
まゆが春香にそう言うと春香は涙目で僕を見つめてくる。その顔はズルいよ……
「まゆ、後でまゆと2人で撮るからさ、春香ともう一回プリクラ撮っていい?」
「………約束、だからね」
「うん。約束」
まゆに許可をもらい春香ともう一度プリクラを撮る。今度は普通に撮ることが出来て春香も満足そうだった。その後はまゆと2人でプリクラを撮り、まゆも満足そうな表情をしてくれる。
「ねー、りょうちゃん、春香ちゃん、もう少し詰めてくれないとまゆが入れない!」
まゆと2人でプリクラを撮った後は3人でプリクラを撮る。プリクラの枠が結構小さめで3人で引っ付かないと3人がしっかり写ることができなかった。
まゆに言われて僕と春香は肩が当たるくらい密着する。僕の肩が頭に当たり春香は「きゃっ……」とかわいらしい声を僕の真横で出すからちょっとドキッとした。
春香と僕がくっついた後、まゆが僕にくっつく。その様子がプリクラ画面に表示されたのを見て僕も春香もまゆも顔を真っ赤にした。春香とまゆが最高に可愛くてドキドキしながらプリクラ写真を撮る。
完成したプリクラ写真は3人とも普段より顔が赤かったが、3人ともすごく幸せそうな表情をしていた。
「いい感じで撮れたね」
「そうだね。春香もまゆもすごくかわいい」
まゆの言葉を聞いて僕が春香とまゆに言うと春香もまゆも顔を再び真っ赤にしながら喜んでくれた。2人ともかわいいなぁ……
「ねー、りょうちゃん、まゆちゃんにぬいぐるみプレゼントしてあげたのズルいなぁ…」
「………クレーンゲーム何回かやって見てぬいぐるみ取れたら春香にプレゼントするよ」
「やった!」
春香が喜ぶ横でまゆがいいなぁ。と言いたげな表情をするが、以前、まゆはプレゼントしてもらっているので文句は言えない。と言う様子だった。頑張って2つ取ってまゆにもプレゼントしてあげたいなぁ。
「はい、春香、プレゼント」
運良く、春香が欲しがったぬいぐるみはすぐに取ることができたので適当な理由をつけて別のぬいぐるみに挑戦すると何回かやって景品のぬいぐるみを取ることができた。
「はい。これ、まゆにあげる」
春香にプレゼントしたぬいぐるみを取っていた時にまゆはずっとこのぬいぐるみを持っていた。たぶん、まゆはこのぬいぐるみで喜んでくれるはず……
「え?りょうちゃんすごい。まゆ、このぬいぐるみめっちゃ欲しかったの」
と、まゆは大袈裟と思うくらい喜んでくれた。先程、ぬいぐるみをプレゼントされた春香はその様子を見ながら「まゆちゃんよかったね」と幸せそうな表情でまゆに言っている。
幸せそうな春香とまゆを連れて僕はゲーセンを出る。この後どうしようか。と話しながら歩いているとまゆが提案をしてくれた。
「このままりょうちゃんと初めてお出かけした時と同じところに行きたいなぁ」
まゆと初めてお出かけした日、絶対に忘れることがない大切な記憶…
ショッピングセンターで買い物をしたりした後、僕とまゆは海へ行った。あの時、海辺で見たまゆの美しさは今でも鮮明に覚えている。
「海…だよね。僕は賛成だよ。春香は?」
「私も賛成!」
行き先は決まった。初めてまゆとお出かけした日と似たような行動パターンをしている。あの時は僕と春香とまゆがこんな関係になるとは思っていなかったなぁ。と、あの日を懐かしく思いながら僕はまゆの車に乗る。
横に座るまゆを見て、あの日はかわいい先輩だな。としか思わなかったが、今ではとても愛おしく感じた。
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