第136話 小さい
………ズルい
みんなズルいよ………
乙女最大の武器を堂々と見せびらかして……
海でしばらく遊んだりしてお散歩を終えたあと、まゆたちは旅館の温泉に入ることにした。りょうちゃんと男風呂の前で別れて女の子5人で女風呂に入る。
まゆは脱衣所で服を脱ぎながらじとーっと周りにいるみんなの身体を見ていた。みなさんなかなかにご立派なものを持っていらっしゃる。
脂肪の塊なのに……
何故こんなに羨ましいんだろう。脂肪だよ。ただの脂肪だよ。くぅ……羨ましい………
みんなの身体を見てから自分の身体に眼をやると自分の小ささにショックを抱く。ゆいちゃんなんか…まゆより年下なのに…大きい……少し分けて欲しい………
「まゆちゃん、目が…怖いよ……」
「………春香ちゃんにはわからないだろうね……ていうか…でかくなってない?」
「ひゃっ…まゆちゃん……」
まゆは小さくなれ〜と呪いをかけるように春香ちゃんの胸を揉む。すごい弾力…めちゃくちゃ柔らかくて揉んでいて心地が良い。しかも少し感じちゃっている春香ちゃんの表情やばい……
やっぱり…大きい方がいいのかな………まゆの胸が大きかったらりょうちゃんもっとまゆの相手してくれるのかな…春香ちゃんはどうなんだろう。やっぱりまゆがいなくてりょうちゃんと2人だけの時はこういう風に胸をりょうちゃんに揉んでもらったり気持ちいいことしているのかな…りょうちゃん胸いじるの好きだし……まゆが弱いからかもしれないけど…いつも胸いじっていじめてくるんだよね……春香ちゃんはりょうちゃんと2人きりの時どんなことをされているのだろう……
「はい。まゆちゃん。それくらいにしてあげなよ。春香ちゃん困ってるし後輩も見てるんだからさ」
巨大な胸……じゃなくてりっちゃんがまゆに言う。巨乳め……この中でまゆが許せるのはさきちゃんくらいだ。
「さきちゃん、一緒にお風呂入ろうね。背中流してあげるよ」
「あっ、はい。私も、まゆ先輩のお背中お流しします」
まゆはさきちゃんを連れてさっさと脂肪の塊から逃げようとした。
「それにしても、春香ちゃん本当に少し大きくなったよね」
「う…うん」
「りょうちゃんにいっぱい揉んでもらってたら大きくなったとか?」
「ち…ちがうよぅ。成長期…成長期なだけ。最近本当に大きくなって下着新しくしないときつかったり結構肩凝るようになって疲れるんだよね…ま、まぁ…肩凝ったらりょうちゃんが肩揉んでくれたりするから嬉しいんだけど…」
自慢?自慢ですか?脂肪の塊さん。え、なんですか。惚気話までしちゃってさ…まゆだって…りょうちゃんに肩揉んでもらうことあるんだから……
「まゆ先輩…顔、怖いです……」
ゆいちゃんに指摘されまゆの横にいたさきちゃんがちょっと怯えていることに気がついた。そんなにまゆ、怖かったのかな………
そんなやり取りをしながらみんなでお風呂に入る。お風呂に入ってからも脂肪の塊たちはことある毎に脂肪の塊を自慢してくる。脂肪の塊がそんなに好きならお腹に脂肪溜めとけ……
と思いながらサウナで脂肪の塊をじとーっと見ていたらだいぶのぼせ気味になってしまったのでサウナで出た汗を流してからまゆはみんなより先に出ることにした。
脱衣所で旅館着に着替えてちょっとふらふらしながら女風呂を出て旅館の廊下を歩いていた。
「まゆ、大丈夫?」
ちょっと目がくらくらして転んでしまいそうになってしまったまゆをりょうちゃんが受け止めてくれた。あー、旅館着でちょっと和服っぽい感じの服を着ているりょうちゃんめちゃくちゃかっこいい。
女用の旅館着って帯とか巻くと胸の大きさが割と伝わるから嫌なんだよね……
などと考えているとまゆの胸がりょうちゃんの腕に当たっていることに気づいた。
まゆは慌ててりょうちゃんから離れる。まゆは小さくないよ。標準、標準だよ。と必死で心の中で言い訳するが、まゆの胸と春香ちゃんの胸、どちらもいじったことがあるりょうちゃんに今更そんなこと言っても無駄か……
「まゆ、大丈夫?」
「べ…別に…胸が…小さいことなんか気にしてないもん…」
「え?」
あ………
時が止まったような感覚を感じた。やばい。やらかした。めっちゃ恥ずかしい……大丈夫?って胸のことじゃないに決まってるじゃん。ちょっとのぼせてふらふらしていることに決まっているじゃん……
「えっと…その……胸の大きさ?なんて気にしなくてもまゆはかわいいよ」
りょうちゃんが必死になってフォローしてくれようとする。恥ずかしい………
「かわいい…じゃなくて、りょうちゃんは胸が大きい女の子の方が好き?」
まゆ…何聞いてるのだろう……やばい。恥ずかしい……りょうちゃん困ってるし……
「えっと…胸の大きさとか関係ないよ。僕はまゆが好きだからさ、まゆはそのままで十分魅力的だよ」
………まゆ、しってるからね。まゆと春香ちゃんとりょうちゃんが3人でちょっとエッチなことする時…りょうちゃんが春香ちゃんの胸じろじろ見てること……そんなに脂肪の塊が好きか…え?
「まゆ、なんか怖いけど大丈夫?」
「別に…もう。いいもん。りょうちゃんのばか」
「え、どうしてそうなるの?」
りょうちゃんは訳がわからないと言うような表情をする。困っているりょうちゃんかわいい。
「なんでもない。ねぇ、ちょっと立ってるの辛いからみんなが出てくるまで座ってたい」
「う…うん。わかった」
まゆはりょうちゃんと一緒に広間にあったソファーに座る。りょうちゃんがまゆに飲み物を買ってきてくれたのだが、買ってきた飲み物が牛乳でかなりムカついた。
当て付けかなぁ?
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