第36話 先輩の家にお泊まり(夕食・入浴)
「お邪魔します…」
サークルの練習が終わり、僕は一旦アパートに帰ってお泊まりに必要な荷物を持ってまゆ先輩の車でまゆ先輩の家に向かった。春香に今日、まゆ先輩の家でお泊まりする。と言ったら私も行きたい。と、めちゃくちゃ不機嫌になって大変だった…
まゆ先輩の家に入ってすぐにまゆ先輩の部屋に案内された。まゆ先輩の部屋は真っ白の壁にフローリングされた茶色い床、部屋の隅にお洒落なベッドが一つ置かれていて、部屋の真ん中に小さめのテーブルがあり、その付近にクッションが2つと小さめの1人用ソファーが2つ置かれていて壁際に勉強机があり、その横に本棚、勉強机がある壁際と反対側にはクローゼットがあり、その近くにチェストが置かれていた。チェストやソファー、勉強机、本棚の空いてる箇所、ベッドの上などにかわいらしいぬいぐるみが設置されていてとてもかわいい部屋だった。
「夜ご飯ハンバーグでいいかな?まあ、3限なかったからお昼に家帰ってきて2人分のハンバーグ作っておいたから嫌って言っても食べてもらうけどね。チンして持ってくるから少し待っててもらっていいかな?」
「ありがとうございます。ハンバーグめっちゃ好きなんで嬉しいです。何か手伝えることありますか?」
「うーん。リビングは少し散らかってるからあまり見られたくないんだよね…だからまゆの部屋で待ってて、そっちのソファー使ってくれて構わないからさ、あと、今は2人きりだから敬語使われると少し寂しいかな」
まゆ先輩はそう言い残して部屋から出ていった。僕はまゆ先輩に言われた通りソファーに座って待たせてもらう。だが、女性の部屋…しかもまゆ先輩みたいなかわいい女性の部屋に1人でいるのは落ち着かなかった。
「りょうちゃん、悪いけど部屋のドア開けてもらえないかな?」
「分かりました」
僕は立ち上がってまゆ先輩の部屋のドアを開ける。すると、大きめのおぼんを持ったまゆ先輩が部屋に入ってきてテーブルの横におぼんを置く。その後、おぼんの上に載っていた料理をテーブルに移動させる。そして、まゆ先輩は僕が使っていなかった方のソファーを僕が使わせてもらっていたソファーの真横に移動させた。
「さ、食べよ。簡単なものでごめんねだけどお昼に精一杯作ったからさ」
「ありがとうございます。めっちゃ美味しそうですしまゆ先輩の手料理楽しみです」
僕の言葉を聞いたまゆ先輩は僕の横で不満そうな顔をする。
「作ってくれてありがとう。まゆの手料理楽しみだよ」
「うん。じゃあ、早く食べよ」
僕が言い直すとまゆ先輩は嬉しそうに言う。普段、春香と話す時をイメージして話したが先輩に敬語使わないのは地味に難しい…
などと思いながらテーブルの上を見ると、ご飯、お味噌、ハンバーグとレタスが盛り付けられたお皿が並べられていた。ハンバーグの上にはソースとケチャップを混ぜて作ったソースがかけられていてとても美味しそうだった。
さっそくお箸を手に持ちハンバーグをいただこうと僕は箸を伸ばした。
「りょうちゃん、まゆが食べさせてあげる。はい、あーんして」
まゆ先輩はそう言いながら、箸でハンバーグを食べやすい大きさに切り取って、僕の口の前まで運んでくれた。僕は戸惑いながらもパクリとハンバーグを口にする。
「どう?美味しいかな?」
「うん。すごく美味しいよ」
「よかった。じゃあ、今度はりょうちゃんが食べさせて」
まゆ先輩にそう言われて僕は箸でハンバーグを切り取りまゆ先輩の前まで運ぶ。まゆ先輩はゆっくりハンバーグを口にして幸せそうな表情でうん。美味しい。と言うのだった。
「お返しに、はい、あーんして」
「もう、キリないから終わりだよ」
もう一度ハンバーグを僕の口の前までまゆ先輩が運んでくれたが、キリがなくなりそうなので、僕は口にしなかった。まゆ先輩が不満そうに僕の前まで持ってきていたハンバーグを自身の口にいれた。
その後、2人で雑談をしながら食事を終えて、まゆ先輩が食器を片付けてくれた。手伝うと言ったが、まゆの部屋で大人しくしてて、と言われたのでお言葉に甘えさせてもらった。
「りょうちゃん、お風呂先に入る?それともまゆと一緒に入る?」
まゆ先輩の部屋に戻ってきたまゆ先輩が少しもじもじしながら聞いてきた。普通なら冗談だと思うが、まゆ先輩はきっと本気で言っている。
「さすがに一緒にお風呂はダメだよ…」
「そ…そうだよね。ごめんなさい」
まゆ先輩の反応を見てやっぱり本気で言っていたんだな。と僕は悟った。
そんなやり取りをした後、僕が先にお風呂に入らせてもらうことになった。さすがに気まずいのでシャワーだけ借りることになった。
「りょうちゃん、タオルここに置いておくから使ってね」
「あ、うん。ありがとう」
僕がシャワーを浴びていると扉の向こうからまゆ先輩の声が聞こえてきた。
「りょうちゃん、せっかくだしまゆが背中流してあげようか?」
「え、何言ってるんですか」
「りょうちゃん、今の話し方アウト…さっきまではよかったのに…何度言っても直してくれないりょうちゃんにはお仕置きが必要かな…罰としてまゆが背中流してあげる」
「いやいや、罰って…それじゃご褒美だよ…あっ…」
あまりの衝撃に僕は思ったことをそのまま口にしてしまった。
「ご褒美ならいいじゃん。背中流すだけだからさ…」
まゆ先輩はそう言いながらお風呂場のドアを開けてお風呂場に入ってくる。僕はとっさに下を隠す。その様子を見たまゆ先輩は僕にタオルを渡して隠すまで待っててあげるから隠せれたら呼んでと言い一旦お風呂場から出て行く。
僕はドキドキしながら腰にタオルを巻く。ドキドキしている理由は多々あるのだが、一番の理由は先程、お風呂場に入ってきた時のまゆ先輩の服装だ。まゆ先輩の服装は大きめのTシャツを1枚きているだけでまゆ先輩の綺麗な脚を見てドキッとしてしまった。
「りょうちゃん、まだ?」
「あ、いや…えっと…一応隠したよ…」
まゆ先輩に催促されて戸惑いながら僕が答えるとまゆ先輩は再びお風呂場に入ってきた。
「りょうちゃん、まゆ、服の下に水着着てるんだけど、まゆの水着姿見たい?」
「え…ちょ……え……水着!?」
「うん。まゆ、胸あまり大きくないから、恥ずかしくて上に服着てるけどりょうちゃんがまゆの水着姿見たいって言うなら脱ぐよ。なんなら水着も脱いでもいい…けど…」
まゆ先輩は顔を真っ赤にして言う。そんなまゆ先輩がかわいすぎて理性を保つのが大変だったが、僕はそのままの格好でお願い。と言うとそのまま僕の後ろにやってきた。まゆ先輩は石鹸を手に取りボディタオルで泡立てをして僕の背中を優しく洗ってくれる。背後からまゆ先輩に少し腕あげて、と言われてドキドキしながら腕をあげるとまゆ先輩は僕の腕も優しく洗ってくれた。そして、まゆ先輩の手が背後から僕の正面に回って胸やお腹のあたりも洗ってくれる。その間、僕はずっとドキドキしてしまっていた。何よりも、まゆ先輩の洗い方が優しくてめちゃくちゃ気持ちいいのだ。
「あっ…」
胸とかお腹とかを洗われている時に気持ち良くてつい変な声を出してしまった。
「あ、ごめん。くすぐったかった?」
「いや、そう言うわけじゃ…ちょっと気持ちよくて…」
「ふふ…感じちゃってかわいいね。何ならボディタオルじゃなくて素手で直接洗ってあげようか?」
そんなことされたら本当にいろいろな意味でやばいと思ったので、僕はそのままでお願いします。と言う。まゆ先輩は笑いながら僕の上半身を洗ってシャワーで流してくれた。
「りょうちゃんって腕とか細いね。すごく綺麗だしすごくいいと思う」
「まゆ先輩…まゆだって細いし肌めっちゃ綺麗でいいと思うよ」
「そうかな?ありがとう。じゃあ、その綺麗なまゆの肌洗ってみる?」
「いや…それはさすがに……」
「ふふ…かわいいね。まあ、無理にとは言わないよ。あ、下半身はどうする?洗ってあげようか?それとも気持ちいいことしちゃう?まゆ、初めてだからりょうちゃんを気持ちよくさせてあげれるかわからないけど…」
まゆ先輩がやばいことを言い出したので後は自分でやります。と言いまゆ先輩にはご退場していただいた。ドキドキしすぎて頭がおかしくなりそうだった…
その後、僕は自分で下半身を洗い、シャワーで泡をきちんと流してからお風呂場を出た。そして持ってきていたパジャマを着てまゆ先輩の部屋に戻った。
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