第67話 「遊び」
「遊び」という言葉の意味は、「面白いことや好きなこと」「賭け事にふけること」などの他、「機械で部品同士の間にわざと作ってあるゆとり」、というのもある。このゆとりがなければ、使えない機械も多い。
自動車のハンドルを少し動かしただけで進路が変わるなら、直線道路の運転はかなり難しくなる。大きな事故が起きることもあるだろう。こうした誤動作を防ぐため、ハンドルの動きに「遊び」がある。
こうした機械の「遊び」は、精密な動きができない人間が精密な機械をストレスなく操作するために必要。融通の利かないはずの機械に付与された「融通」のようなものなのかもしれない。
「ゆとり」としての「遊び」が必要な一方、「賭け事」にばかりうつつを抜かすのはいただけない。だが「面白いことや好きなこと」に目を向けるのは、意外に大切である。心に「ゆとり」が生まれるのだ。
人間の体は、精密な動きができない。心の動きも同様で、常に論理的に考えられるわけではない。理不尽な感情を持て余した心に必要な「ゆとり」を生むのが、「遊び」なのではないか。
「好きこそものの上手なれ」ともいう。好きなことは「面白い」ことで、それだからこそ長続きする。長続きすれば「遊び」はそのレベルを上げ、「仕事」に引けをとらなくなるだろう。
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