演劇への情熱と、純愛に酔いしれる…!

物語の舞台となる時代背景や、エリザベス女王と貴族たちを取り巻く政治情勢など、重くなりすぎず、噛み砕いて語られており、とても読みやすく世界観に入っていけます。登場人物たちの会話のやり取りも親しみやすく、主人公ジャンのほか、身分の違う何人かの視点で語られるので、どの階層にも感情移入できて多角的な視点で物語を楽しめます。

同性愛は御法度という時代の縛りの中、演劇への情熱を軸に、ジャンとロイの純愛が少しずつ進みます。二人はともに家族への葛藤というテーマを抱えますが、唯さまが描くそれは切なく、そして強くて、それを芯として動く彼らには魂があって、私はそこに強く惹かれます…。

シェークスピアの時代の演劇界の一端をぜひ味わってください!!

その他のおすすめレビュー

あとみくさんの他のおすすめレビュー131