第64話 宇宙船での待機
「しかし、驚いたわ、白金のピラミッドだ何て、それもアメリカのアラスカに今もそのままにある何て、ストーン・ヘンジが後だったらアラスカの驚きが抜けずに感動も驚きも無かったでしょうね」
ヘレンがホワイト・ハウスでの感動の余波を家への帰りの車の中で漏らしていた。
「お母さん、もう解ったから、何度言えば気が済むのよ」
「お前は知っていたの、感激が少ないわねぇ~」
「だ・か・ら~私も知らなかったって言っているでしょう、私はね、其れよりもマーグが家にも戻らずにアラスカに行った事が気になるのよ」
「あぁ~、あれはピラミッドが見たいのもあるけど恋ね、ジョナサンに恋しているのね」
「お母さんは娘の恋人が気に成らないのぉ」
「気にしたって成る様にしか成らないでしょ、お前が大変良く出来た婿さんを見つけたんだから妹も間違い無いと思う事にしたのよ」
「そりゃ~私の旦那様は世界一だけど考古学者は危険だしお金が無いのが定型だから、ちょっと心配だわ」
「あら、貴方、ジョナサンの情報をアダムに聞いていないの?」
「えぇ~・・・、あらジョナサンで伯爵で大金持ちなのね、へえ~」
「少しは安心したかしら、カリーの事も知らないでしょう」
「カリーの事・・・まぁ~、カリー、貴方、お嬢様なのね、驚いたわ」
「私もアダムにジョナサンと皆さんの事を聞きましたが私にはお答えできません、でした」
「もう少し、アダムの親しくなり貴方の信頼度が増せば教えてくれるとおもうわ」
ヘレンがカリーを安心させた。
「因みに、彼の事をアダムに聞いても駄目よ、彼が話す以上の事は教えてくれないから」
「彼は何故、誰も知らない遺跡を知っているのですか、物理にも詳しい様ですし不思議、不可解です」
「彼については貴方が知っている事と対して違いはないと思うわ、私にも不思議な人よ」
「奥様のキャサリリンにもですか」
「えぇ、私にも不思議で驚異的な人よ」
本人が同じ車に同乗しているにも関わらず側にいないかの様に話す事は通例の様になっていた。
「貴方、今日は思いの外、早く会議が終わったから皆で宇宙に行くのでしょう?」
キャサリンが彼にこれからの行動を尋ねた。
「それも良いですが、貴方がたもアラスカとイギリスに行きたくは無いのですか」
「行きた~い、見た~い」
三人の女性が一斉に答えた。
「決定です」
「彼はどうせ教えてくれないでしょうから、私達で予想しましょう、アラスカのは白金です、大きさはどれ位だと思う? どうして今まで発見されなかったの?」
ヘレンが疑問を投げかけた。
「大きさは多分、エジプト、エリア51と同じだと思うわ、何故見つからなかったかは解らないわ」
キャサリンが予想した。
「私はそれも気になりますがスフィンクスも有るのかが気になります」
「カリー、貴方、凄いわ~、そうね、その可能性は大いにあるわね」
ヘレンがカリーに歓心し誉めた。
「此れまで見つからなかった事と白金で出来ている事とは関連があると思うわ、アラスカの氷の中と言うのも関連していると思うの、それに私はスフィンクスも同じ配列であると思うわ」
キャサリンが自分の予想を述べた。
「流石、我が娘、良い読みだと思うわ、うん、当たっているわね」
何時もの様に家に着くと四人は庭に出てスーツ姿になると消えて宇宙船に入った。
三人の女性たちはまずは食事と言い出し管制室で食事を頼み食べ始めた。
デザートも食べ珈琲やお茶を飲みながら遺跡や古代文明の話をしていた。
「テレビや雑誌では世界中に超古代や摩訶不思議な遺跡がありますよねぇ~、それらも今回の事に関係があるのかしら」
「摩訶不思議ってどんな風に」
「中米の丸い石、南米の剃刀も隙間に入らない石組などです」
「確かオルメカ・ヘッドとか言う大きな石の頭の彫刻も有りましたね~」
「ストーン・ヘッジだって以前よりも古い物らしいしね」
「トルコ付近では12000年前の遺跡が見つかったらしいわ」
「ピラミッドやストーン・ヘンジ、イースター島の像、南米の石壁なんかの30トン以上の石をどうやって移動させたのかさえ不思議と言えば不思議よね」
「そうよねぇ~、一個や二個なら人力でも納得、ぎりぎり納得出来るけど何十個、何百個となると到底納得出来ないわ」
「じゃあ、お母さんはエジプトの考古学の専門家のいろいろな説を信じていなかったの」
「何だかどの説を聞いても、もやもやして納得は出来ないわね」
「私も同じです、砂や土で坂道を作ったとか、丸太の上を転がしたとか、第一丸太を使ったのに車輪は無かったとか、私には納得出来ません」
「そう、そう言う処よ、流石は学者ね、私のもやもやが事態的だわ、外にあるかしら」
「そうですね・・・草や木から紙を作れるのに車輪が・・・あぁ、何処かの島で見つかった石のお金は本当は車輪なのよ、あぁ、丸い石も車輪なんだわ、板に凹みを着けて丸い石の上に乗せて前は牛二頭に引かせたんだわ」
「アダム情報では石の真球はコスタリカよ、遺跡は無いのよねぇ~」
「でも、その説に私も賛成するわ、木や石を輪にする寄りは球の方が作り易いと思うのよね」
「お母さんは石器時代なら大発明家ね」
「駄目よ、男尊女卑の時代でしょ、女の意見なんて聞いてくれないわよ」
「お母さん、それが違うみたいなのよ、古代は女性が女神として大事にされていた様なのよ」
「へぇ~、そう言われれば土器は女性像が多いわね」
「でしょう」
「じゃ~、何時から女性が軽く見られる様になったのかしら、昔は選挙権も無かったのよ」
「私が思うに魔女の時代からだと思うわ」
「歴史から言えばそんなに古い時代じゃないじゃないの」
「これは私の仮説、只の説よ、旦那様、どうなのですか」
「女神説は合っています、人類の中で女性以外から誕生した者はいないからです、文明が未熟な程、不思議な事、理解できない事は時として魔術、呪術、呪い、奇跡と呼ばれて来ました・・・これで宜しいですか」
「今の処は、それだけしか教えられないと言う事ですね」
「そうです」
「そうね、今でも未開人の処にはTシャツやズボンを履いているのに呪術師、呪い師がいるし、その人たちは病気も直すと信じられているものね」
「あれ~、じゃあ、現代の地球にはいろいろな宗教が信じられているけど、まだ人類は未開人と余り変わらないと言う事なのかしら」
「やはり、君の頭脳は素晴らしい」
彼がキャサリンの頭の良さを誉めた。
「それじゃ天国も地獄も無いの~」
「私は一度も死んだ事はありませんので、それは解りません」
ヘレンの問いに彼が応えた。
「じゃあ、死んだら魂はどうなるの、婿殿」
「経験が無いのて解りませんが、逆に質問します、貴方の言う魂と何の事ですか」
「魂って・・・魂よ、魂」
「お母さん、冷静に、冷静に」
「魂、ソウル、心、精神、個性・・・」
「真実かどうかは、何度も言いますが私は死んだ事がありませんから、解りません、が私成りの理論はあります、ですが今は此処までです、皆さんの宿題にします、良く考えて自分の説を立てて下さい、アラスカに行く時間です」
「あぁ、そうだったわ、時間潰しのはずだったのに訓練もしないで話に夢中になってしまったわ」
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