第9話 初めての授業
ユウキたちは、各自部屋に戻り明日からの授業に備えることにした。ユウキは、レオと部屋が同じなので夕食までいろいろ話すことにした。夕食は、みんなでまた集まり食べるらしい。
「なあ、ユウキはどこから来たんだ?俺はアポロン魔法王国から来たんだけどよ。」
アポロン魔法王国とは、その名の通り太陽を、象徴とした国で、魔法も、多くの民が、炎属性を操ると言われていた。
「あ〜、僕は凄く遠いところから来たんだ。島国でね。」
ユウキは、異世界転移と言ったらいろいろめんどくさくなりそうだから黙っていることにした。まぁ、レオは、脳筋なので信じてお前すげーなぐらいで終わっていたかもしれないが…
「そ、そんなことよりレオの国はやっぱり魔法王国って言うくらいなんだからレオも魔法とかすごいんじゃないの?」
「俺はたしかに魔法王国の出身なんだけど、魔法に関する適性が皆無なんだよ。俺は騎士とか戦士とか向きで国で強くなる道も考えたんだがよ。この学園のことを知って、来てみたくなったんだよ。そういうユウキは?」
つまり脳筋である。根っからの脳筋である。大事なことだから2回言いました。
「僕は、たまたまここに来て、なんかいきなり推薦受けて流されるままに来ちゃった感じだけど、行く場所もなかったから、良かったといえば良かったんだけどね。レオって、騎士とか戦士系のスキルがあるんだよね?どんなスキルなの?」
ユウキは、ただの興味本位できいてしまっただけだった。それがだめだった。
「おお!よくぞ聞いてくれた。俺のスキルはな、身体能力強化に、身体能力超強化に、身体能力極強化、それに斬れ味増強に防御力増強だ!」
ユウキは、それを聞いてもともとうっすらと感じていたものが確信に変わった。
「の、脳筋だ…」
「ん?なんか言ったか?」
「い、いや何も。」
「おう、そうか。」
なんで身体能力強化が、3個もあるのか、疑問に思ったがユウキは、聞くのをやめた。「見るからに筋肉がすごいんだから当然だよな、うん。」って感じで、思考停止してしまった。
「そういえばレオ、そろそろ夕食の時間じゃない?」
「お?そういえばそうだな。じゃあ行くか。」
「う、うん。」
その後、ユウキたちは、夕食を食べ終え今日はもう寝ることにした。
翌日、ユウキたちは、魔力を、あやつる訓練(最初の授業)のために魔法訓練場に来ていた。
「みなさん、まずはこの、魔力のあやつり方について、説明したいと思います。まず魔力とは、もともと人間に流れているものなのでどんな人間であろうと、魔力はまっています。
っていっても、このクラスの人はみんなこれくらい知ってますよね。なので、今回は魔力の、より効率的な使い方について説明したいと思います。まずはみなさん、1人ずつ、ギルドカードに、魔力を流してみてください。ステータスを先生に見せて魔力量を確認するので。」
「「は〜い。」」
ユウキ以外のみんなは、レベルが少なくとも10は超えていて、ユウキは、何もしていないので1のまま。
この世界では、動物でも魔物でも、一定以上倒すと、レベルが上がる。
ユウキは、まだ一度たりとも倒したことがないので現段階では一番弱いのは確実だ。
この時点で一番強いのは、父が騎士のサンフォードだ。しかし、魔力量は、意外にもレオが一番高い。
レオのステータスをみた人は誰もが思ってしまった。シルビア先生でさえ、つい思ってしまった。脳筋だと。
「レ、レオくんすごいですね。魔力量が一番高い!生まれ持った才能ですね!」
シルビア先生は、思っていた。スキルがなぜか、以上に身体能力強化が多いことを。
先生は、心の中で叫んでいた。(なに、身体能力極強化ってしかも見た目のことを言うのはあれだけど筋肉すごいわね。俗に言う脳筋ってやつかしら⁈)
先生は話をそらすことにした。
「それにユウキくんが全属性適正と耐性を持っていたことは知っていたけど、リナさんも、全属性適正を持っているなんて、世界にも数人しかいないって言われているのに、鍛え甲斐がありそうね!」
「さあ、気を取り直して、まずはみんなに初級魔法を使ってもらおうと思います。まずは火の魔法をやってみたいと思います。」
この世界は適正があるないに関わらず、魔法は使うことができる。ただ適性があると、適正がない人より数倍その属性が使いやすいと言うこと。
身体能力強化も同じで、身体に魔力を纏うことで身体能力強化はできるが、レオのようにスキルを持っていると、魔力を使う量が減ったり、いらなかったりする。
この場合レオは魔力なしで身体能力強化を使うことができる。しかし、身体能力超強化や、身体能力極強化は、魔力を使うが、その分数倍の力で身体能力強化をできる。
「みんな、魔法はイメージが大切よ。火の燃えているところや燃え方火のつき方などをイメージしてみて。集中して、強いイメージが大切よ!」
「あ!できた!」
その声はユウキだった。ユウキが、適正をもっていると言うこともそうだが、やはり日本にいて、
ユウキは、高校での成績は、学年で見ても真ん中ぐらいでそこまで頭が悪いというわけでもなかったので、現代科学の知識を少しはもっている。
例えば火は、酸素を取り込んで燃えていることや、空気の調節次第で火は青くなり、より高温になったりすることは、小学生で習うこと。
「ユウキくんって魔法使うのほんとに初めて?」そう聞いてきたのはアニー・セルナさん
「うん、そうだけど?」
「ほんとに?でも。はじめは赤かった火が青くなってるんだけど、え?今まで魔法っておそわったことないんだよね?」
「う、うん。そうだけど。」
「なんで、応用技ができてるの⁈私、小さい頃から魔法習ってたんだけど今だにできないのに…どうやってやったの?」
「え、いや僕はただ先生が言った通りにやっただけ、、、なんだけ、、ど?…セルナさん?」
「私に魔法をおしえて!!」
「いや、僕が教わりたいくらいだよ?だって、まだ火の初級魔法をやった覚えたところだし、」
「それでも!!」
「いやだから僕は教えられるほど魔法は知らないんだって!」
「じゃあもっと魔法を覚えた後でもいいから!!」
アニーは、意地でも魔法を教わりたかった。将来、上級魔法職に就くにはどうしても上級魔法よりさらに上の、究極魔法を使えなければいけない。
究極魔法は、個人差はあるが最低でもレベルが、70以上ないと使えない。と言っても、魔力量に依存するので魔力が高ければ関係ないが…
「わ、わかったから、一回落ち着いて!」
その言葉を聞いてアニーは、まわりを見わたしてから顔を赤くしてしゃがみこんでしまった。
「アニーさんは、中級魔法も使えるんですから、なにをおしえてもらうんですか?」
「先生、私は中級魔法が使えても魔力操作が苦手で、使い物にならないの!だから、いきなり応用技が出来た、ユウキくんに、教えて欲しかったの!」
なんてことを、少し涙目でアニーは、シルビア先生に言った。先生は、少し困ったような顔をしたが、アニーにアドバイスをしてくれた。
「アニーさん、魔力操作はイメージが大切です。魔力を体の一部として魔力を考えてみたり、剣のような、道具のように考えてみたり、人それぞれイメージの仕方が違います。だから、自分が一番使いやすいやり方を
「だから、先生!それが出来ないんですよ!!」
そんなやりとりをしていて今日の授業は終わってしまった。
それからちょうど1ヶ月後
「今日は、授業として、皆さんにはギルドの依頼を受けていただきます!」
「どんな、依頼なんですか?」
「ユウキくん!いい質問です!!」
「は、はい。」
「まちにまった、
「「おお〜」」
「ついに魔物討伐か!」
「そうだね!私たちたくさん訓練したもんね!」
「正直まだ、1ヶ月しか経っていないのにいろんな魔法使えるようになったし、剣も未熟ながらも扱うには十分ぐらいにはなったもんね!」
上からレオ、ジェシカ、リナの順番で喋っていた。
「それで先生、なんの魔物なんですか?」
「ゴブリンよ!」
「ゴ、ゴブリンかよ。ゴブリンって確か力はそんなにないけど数が多いんだよな〜」
「大丈夫よ!みんなでかかれば大した魔物じゃないから!今からあと1時間後に出発するから各自一度部屋に戻って準備して。戻ってきたら2組のパーティを組むから、経験値が均等に入るブレスレットを渡すわ!」
「「は〜い。」」
その後ユウキたちは、各自部屋に戻り準備を始めるのだった。
(経験値が均等に入るブレスレットは、まぁ、そのままの意味で、パーティの誰かが倒した分の経験値が均等に入る魔道具。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます