北魏23 拓跋燾立つ   

拓跋嗣たくばつしが死ぬと明元皇帝と諡され、

子の拓跋燾たくばつとう、字佛貍ぶつりが即位した。

母は氏,冀州きしゅう人。

側室のひとりとして抱え込まれ

拓跋燾を生むも、歳が十五、六になるまで

その存在を拓跋嗣は認知しなかった。

そのためほぼ奴隷扱いを受けていた。


拓跋嗣ははじめ慕容ぼよう氏の娘を、

また姚興ようこうの娘を妃としたが、

男児に恵まれなかった。

そのため拓跋燾にお鉢が回ってきた。


頑健にして剛力、戦闘力は極めて高く、

そして残虐無比。

なので胡族もそうも拓跋燾率いる北魏ほくぎ軍は

恐怖以外の何者でもなかった。

なにせ城を攻めたり、敵と戦うのに、

甲冑を身にまとい、突っ込んでくるのだ。


そんな次第であるから、

428 年には吐伐斤とばつきんと言う将軍を派遣、

長年のライバルであった安定あんていで平定。

とらえた赫連昌かくれんしょうについては公位につけ、

その妹を妻とした。




嗣死,諡曰明元皇帝,子燾字佛貍代立。母杜氏,冀州人,入其宮內,生燾。燾年十五六,不為嗣所知,遇之如僕隸。嗣初立慕容氏女為后,又娶姚興女,並無子,故燾得立。壯健有筋力,勇於戰鬭,忍虐好殺,夷、宋畏之。攻城臨敵,皆親貫甲冑。元嘉五年,使大將吐伐斤西伐長安,生禽赫連昌於安定,封昌為公,以妹妻之。


嗣死せば、諡して明元皇帝と曰う。子の燾、字佛貍が代りて立つ。母は杜氏,冀州人。其の宮內に入りて燾を生む。燾は年十五六にして嗣に知らる所為らず、之を遇すに僕隸が如し。嗣の初に慕容氏が女を立て后と為し、又た姚興が女を娶るも、並べて子無かれば、故に燾は立つるを得る。壯健にして筋力を有し、戰鬭にて勇、忍虐にして殺を好まば、夷、宋は之を畏る。城を攻め敵に臨むに、皆な親しく甲冑を貫く。元嘉五年、大將の吐伐斤をして長安に西伐せしめ、赫連昌を安定にて生きて禽え、昌を封じ公と為し、妹を以て之を妻とす。


(宋書95-25_衰亡)




というわけで、ここが晋宋春秋&中原戦記の原則的なゴール。拓跋燾の皇帝即位。話かここからさらにさまざまな局面を見せるのですが、それはほかの人にお任せするのです。ってもうすでにだいぶいろんなとこでオーバーランしてるけどな!


にしても宋書の拓跋燾の書かれ方が完全にモンスターなの笑う。

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