第270話 様子が変

テスト4日目が終わりました。


明日はテスト最終日ということで、みんなもその先に控えた修学旅行を意識して浮かれ気分になっているのですが、私はそうではありませんでした。


と言うのも、テスト期間に入ってから葉幸くんの様子が変なのです。


(また葉幸くんスマホを使ってる……)


スマホを使う人がいること自体は、この学校においてはそこまで珍しい事ではありません。


ですが、漫画は紙派で連絡先の交換はほとんどしていなくて、スマホゲームもほとんどやらない葉幸くんに関して言えばこれは珍しい出来事なのです。


それも、今日だけならまだしもここ4日の間全てそうなら近しい人は誰だって変に思います。


(遠目に見た感じ、誰かとメッセージのやり取りをしているみたいですが、誰とでしょうか……?)


「葉幸くん、誰と話してるんですか?」


私は思いきって、ここ4日の間1度もふれなかった事を聞いてみました。


1番可能性が高いのは、雪原さんでしょう。


最近はよく葉幸くんにちょっかいを出していますし、「メッセージすぐ返してくれないと寂しくなっちゃいますよぉ!」みたいな事を言ったのかもしれません。


(考え出したらムカムカしてきましたね……

今度会ったら何か一言──)


「折木さんとだよ」


「お、折木さん、ですか……?」


実際には、まさかまさかの折木さんでした。


予想外すぎましたが、折木さんは葉幸くんをライバル視しているところもありますし、心配ないですね!


「そろそろ帰ろっか、心夏」


「そ、そうですね!帰りましょう!」

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