第113話 演奏
土曜日の朝、私は葉幸くんの家に来ていました。
本当は、今日は家で宿題をする予定だったのですがロータスさんから「今日時間あるかな?もしあったら朝の10時くらいに葉幸の家に来てもらえないかな?」というメッセージが送られていたのです。
ピンポーン♪
「あ、心夏ちゃんだね。入って入って〜」
「お邪魔します……」
扉から出てきた葉柚さんに手招きされて家に入ったところで私は1つ、重大な事実に気づきます。
──もしかしなくても、葉幸くんの家の中にお邪魔したの初めてじゃないですか!?
考え始めると、なんだか緊張してしまいます。
(何か、何か別のことを考えないと……)
「どうしたの?早くこっちきなよ?」
気づけば数歩先にいた葉柚さんは、ドアノブを握った状態で私を不思議そうに見ています。
「あ、ごめんなさい」
早足で追いつくと、葉柚さんは「見て驚け、聞いて驚け、だよ?」と言って扉を開けました。
そこには──
「……凄い」
その部屋では、ピアノの綺麗な音色が響いていました。
部屋の真ん中に置かれたピアノで演奏しているのはロータスさんで、私たちが入ってきたことにも気づいてないようです。
それから少し待っていると、演奏が終わったところでロータスさんは私たちに気づいたみたいで私たちのほうに駆け寄ってくるのでした。
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