第49話 グループ分け
「ふわぁぁ……。なんか騒がしいなぁ……」
葉幸くんはぐぅーっと背筋を伸ばしてから、声のした方向──つまり、私達の方に視線を向けてきました。
「えっと、お邪魔してます」
「宝田…と、誰?」
「あ、こちら私の友達の美雪ちゃんです。
今日は2人でここにご飯を食べに来たんですけど、成り行きで厨房を見学することになりまして……」
すると、葉幸くんは察しがついたのか接客をしている葉柚さんをみてため息をつきました。
「まぁ見学っていっても何も面白いものはないと思うけど、気の済むまで見ていっていいよ。案内は簪さんがやってくれてるから安心だし、僕はおやつ食べてくるよ」
そう言って、葉幸くんは厨房の奥に入っていってしまいました。
「あの、1つお願いがあるんだけどいいかな?」
「はい。なんですか?」
簪さんの言うお願い、というのは恐らくこれからの見学のことなのでしょう。最初にルールについては聞きましたが何か追加があるのかもしれません。
「今から案内するわけなんだけど、2グループに別れることにするのはどう?私と心夏さん、美雪さんと真田さんで。1対1の方が私としても説明しやすいし」
「う〜ん、そうだなぁ……」
真田さんは少し考える素振りを見せます。
「私はいいですよ。ココナッツは?」
「私も大丈夫ですよ」
(少し気がかりなこともありますしね……)
私たち2人の同意したことで真田さんも1度大きく頷きます。
「そうだな、じゃあそうしようか。」
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