第47話 友達とか?

「……え?」


そこで眠っていたのは紛れもなく葉幸くんで、この位置からだと寝顔を見ることができます。


「どうしたのココナッツ?」


「いや、ちょっとね……」


当然ですが、美雪ちゃんはわかるはずもありません。

私はそんな美雪ちゃんを他所に簪さんに質問します。


「あ、あの…。1つ確認したいんですけど、あの人って浜辺葉幸くんで間違いないですか…?」


一応確認はしておきます。

もしかしたらそっくりさんかもしれませ──


「あ、もしかして知り合い?葉柚ちゃんとも仲良さそうだったけど、さちの友達とか?」


「まぁそうですね。

少なくとも私は友達だと思っています」


「へぇ〜意外。さちっていっつも友達いないとかぼっちだとか言ってたけどこんなに可愛い子が友達にいたのを秘密にしてたんだねー…」


簪さんは先程までの優しい笑みを浮かべた顔から一転して、値踏みをするように私をみてきます。


「あ、あのっ。

知り合ったのも今年に入ってからですし、秘密にしてたと言う程じゃないと思うんですけど……」


それから暫く無言の時間が流れます。

それを空気を断ち切ったのは美雪ちゃんでした。


「えーっと、ココナッツひとつ聞いていい?」


「何ですか?美雪ちゃん」


「えっと、あの寝てる人ってココナッツは知ってるみたいだけど同じ学校の人?」


あ、そうでした……

美雪ちゃんはあそこで眠っている葉幸くんがクラスメイトだなんて夢にも思っていないのでしたね。


「はい、そうです。同じクラスの浜辺葉幸くんです。えっと美雪ちゃんには眠り姫さん、と言った方が分かりやすかったですよね」

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