116.東京BABYLON/CLAMP

 ……ということで、あらためてこっちも読み返してみたんだけど。

 いやー本当にワタシこの話に関しては昴流くんと星史郎さんの関係に関わる部分しか興味もっていないことがよく判りましたよ!


 つか。

 そもそもサウスで連載していた時、確かに物騒だ物騒だとは思っていたんですが、最終的な流れには「ゑ?」となったんですよね。


 というのも、CLAMPが同人誌「笑点」でやっていたまだ試し書きの様な大川さんの小説もこなさん挿絵、ではこんな物騒な関係ではなかったんですよ。

 星史郎さんはまじ動物病院の先生で、ほけほけしていた昴流くんを見初めて、その話をお母様(生きてるよ! しかも着物の奥様だよ!)に話すという。お母様が男の子の話だということでちょっと苦悩するというのがありまして。

 だいたい同人活動からプロに本腰入れる時期だったのかな、聖伝は終わって、「東京」とどん、とあって新シリーズがどうの、ということを書いてはいたんですが。

 そのこともあって、こんな物騒なオムニバス形式の話になるとは思ってなかったんですねー。

 特に星史郎さんはもう初期CLAMP特有の「笑っている一見優しげだから怖い人」のまんま登場で。いい例が「二十面相」の保健室の先生/実は玲君の叔父さんだった~が、「笑点」の中で「コンビネーション」(途中で抜けた聖りいざ氏担当の刑事のバディもの。妹之山財閥の次男が出てくる)の片割れに日本茶出す時の会話が「またとりかぶととか入れてくるんじゃないでしょうね」「そんなわかりやすいこと」と笑顔で言い合うような。

 あとCLAMPってのは、やっぱり関西人集団のせいか、笑いをともかく入れてくるクセがあったんですよね。どっちかというとコテコテを入れてくるノリ。明るいCLAMP学園ものの方でちょいちょい入れてくるアレですが。

 ……の、路線も入っていたから何処まで本気か判らないところがあったんですが、まあ怖い怖い。

 何と言っても「人と物の区別がつかない」ですよ。サイコパスの極み。もの凄くシュミです。はい。

 まあだからこそ、「X」の方で合法ロリな美しいおかーさま殺して桜塚護継ぐ時に「好きな人に殺してもらえて嬉しい」のエピを説明として入れたんでしょうな。

 無論答えは書いてないんですが。後で出てくる「目」の件といい、そうすることで永遠に自分という存在を焼き付けたという感じでしょーか。滾るねえ。


 ちなみに。

 「笑点」においては、妹之山財閥とCLAMP学園、学園都市を中心とした世界が繰り広げられていて、その中で各描き手書き手がカプつくっていたんですね。

 妹之山家も、商業で出てきたのはコンビネーションの続さんとCLAMP学園関係の残くんくらいだけど、本来は「創竜伝」模して、始続終余、まで四人居た訳ですよ。んでその下にCLAMP独自の残くんを入れて、彼が結局継いでいるんですが。

 続さんの出てくる話は聖りいざ氏のものということで分離してしまった訳ですし、その影はもう全くその後のCLAMPでは見られない訳ですが。

 終くんというのはあちこちに出てきては誰かしらのキャラの友人である元気なひとでしたなあ。始さんは着物のどっしりした人で。

 で、学園都市自体がもう一つの社会で。銀行の上役と青年とか、何ってことない大学生同士とか、色々ありましたねえ。

 あああと、兄弟達が「叔父さん」と呼ぶ先生。彼は聖伝における帝釈天だったので、後に学園にインドから赴任してくるシュラ先生に自分の授業は自習にして求愛しまくり「みじんこでも愛してます!」みたいなことまで言っちゃうんですよね。で、シュラ先生が呼び寄せた息子がアシュラで、「前世で敵同士だったかもしれないね」とか言ってる訳ですよ。

 ワタシが最終的に買った笑点は6で、結婚特集だったのかな。カプ達(無論男×男)が結婚しよう、という流れになる話を書き合っておりまして。まあその一つかそこら前に、薄い方で子供ができて~という特集も書いてたから、まあ何というか。

 いやああの頃の同人は濃かった。


 んで、まああちこちで言われている「社会派」な部分は……

 すみません再読するまで思い出しもしませんでした…… 

 ダイヤルQ2ってそーいえばあったなあ、とか。いじめかー、新興宗教かー、とか。

 いやだって、当時まだ二十代後半から三十代のワタシとしましてはね、割と「それがどうしたの?」だったんですよ…… 自分のことで手一杯でこういう問題提起されても何だかな状態で。

 ただ環境が~でも~だったら女の子は可愛くおしゃれする方がいい、は今となっては慧眼だなーと思いますよ。

 最終回での北都ちゃんの自他の区別のつけかたとか本当に出来た子だよなあと、今にして思いますわ。自他の区別のつかない人々をそれ以降たんと見てしまったせいか……

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