113.私のジャンルに「神」がいます/真田 つづる
Twitterでブレイクしているのを見て電子で購入。
そんで「ユリイカ」にも掲載されているということで何となく「ははーん」。
まずこの本の購買層はpixivかTwitterで知った人々だろうから、全く同人界隈を知らないひとではないと思うので、編集の狙いが何となく作者及び購買層とずれているよな、という感じがしていたんだけど、「ユリイカ」が取り上げるってあたり。何か社会現象的に~という感じに見られてる感ありありで。
とはいえ出版しているのはKADOKAWAなんだよな。謎。
書店でこのタイトル見た時にも、「ジャンル」という単語が出てくる時点で同人なんだけど(以下略)
まあ後のカラーにしても何となく編集と購買層のずれを感じたざんすよ。カラー抜きにして、価格を1100円から900円くらいにした方が良かったと思う。
同人誌と思え、というならともかくな。商業なんだから。
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一話一話におけるそれぞれの主人公の感情についてはもう何というか(T_T)あるあるだろうなー、と思う反面、「二次創作から創作を始めたひとびと(特に最近の)は大変だなあ」と思うおはなし。
そんでまあAmazonのレビューでは是々非々。つかレビューの多さが購買層を物語ってると思う(笑)。
星4くらいのレビューが妥当かな。
タイトルの解釈の違いだと思うけど、まーワタシは綾城さんよりおけけパワー中島が神だと思うがな。
綾城さんは「天才字書き」だとしても、それを送り出したり、励ましたり、昔の本スキャンする手間やってくれたり、おつかい行ってきくれたり、銀トリ書き(つか作者ワートリ好きじゃないか?)さんにフォロー入れてくれたのも全部中島なんだよなー。裏主役っていうか。
ちなみにワタシのリアル長い友人も、とある書き手に書いてもらいたくて遊戯王の絵師やってたという時期があったざんすよ。無論元々の作品が好きな上で。
彼女自身は無茶苦茶上手いし編集とか駄目出しとか現実的とかそっち側として凄いんだけど「おはなしは作らない」ということで絵師なんですね。ただ彼女、もともと美大出でマンガ絵も上手かったんだけど、事故で若い頃の様に手に力が入らなくなってしまったんだわ。下ずっと向いてるも無理だし。で、デジタルで「こうあってほしい線を作って」描いていたんだわ。クリスタとかではないよー。
何つか絵師凄い。いや彼女が凄いんだけど。
ともかくそうやって裏で誰かの作品を出すためにサポートしてくれる人ってのは色んな意味で神だと思うんだよね。ファンにとっての神であるかどうかは判らないけど。
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ちなみにワタシが共感できたのは、イクラ丼の捜索意欲かなあ。
アンチの柚木のエゴサとかも共感できたけど、ワタシが粘着する時は「作品の粗があきらかなのにやたらと自分が正しいとこれでもかとばかりに強弁する奴」であって、別に作品の出来が良いひとには文句言ってもなあだし。
ただ「私が最初にその解釈は……」というのは二次特有のものだよな、と思う。
二次っていうのは正直「元の作品への感想」でもあるんだよな。だから解釈違いとか色々で何とやら起こる。ネタかぶりがどうの、とか何かローカルルールがあるとかないとか言われて何じゃそりゃ、と思ったことがあるが。
しょーじき、近現代文学の研究と構造的にはやってることは変わらないんだよな。手法が違うだけで。「私の解釈はこう!」「ここが好き!」ということを先人の手法を使って作品にするという意味では。
近現代文学の「論文」も広義では「感想」だぞ。「証明」できるものではないものし。ただこう思う、ということを作者の生い立ちとか言葉の使い方とかその他もろもろ、そこに何か裏付けらしい誰かしらの社会学的とか心理学的とか史実的データとかいろんなのつけて「と思われる」というしてる「感想」。
と言ってしまうと怒られそうだけど、枝葉ばかり(略)
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ところで。
カクヨムに書いてるような一次創作のひとびとのスタンスと、二次創作のひとびとのスタンスってかなり違うと思うんですね。
昔は結構そのあたりが曖昧だったと思うんだけど、コミケが大規模になっていき、その文化そのものがでかくなっていく中で、同じ創作でも似て非なるものになっていったと思うんですよねえ。
というのも、ワタシ自身も二次は長くやっている訳ですよ。
pixivに置いてあるワタシの作品の量をご参照。 名義はただの「散歩」です。
https://www.pixiv.net/users/3299384
20年近くの作品ですからホムペ時代から色々とある訳ですが、自由~に書いております。そんで基本的には自分が読みたいから書いたシロモノですね。
なのでワタシの中ではそれで同人誌作って売るという活動そのものは二次では殆ど無いのですよ。一次の方としてカクヨムにも置いてる方にしても、昭和ライダーにしても、ともかく印刷本にしたことが無い。手作りコピー本ばかりでした。
で、その中で一番それでもワタシと世間の二次活動とのずれを感じたのが珍しく相方が居た時なのですが。
二次から始まる人々というのは、「わたしも~のような話を書いてみたい」「この世界に参加してみたい」というのが主動機だと思うのですよ。
一次のひとはどうなんだろう。その対象が商業作家で、その中のキャラや世界ではなく、自分で「似ていても違う世界」を書くんだから、感想も千差万別だよな。
二次の場合は好きだから参加したい(書いたことなくても/本づくりがはじめてでも)、という感情が先に出ることが多いらしい。
で、一次的な感覚で二次を書くと、「まとまったから本にしてイベント出るかー」という感じになってしまうので、この「即売会が近いのに原稿が!」という感覚もわからない……
なのでこの本の中の「書き出した」キャラ達に関しては「あるある」だとは思っても同調はできないな、と思った次第。
しかしアンチの心理は実によく判るというか、よく書いたなーと思うざんすよ。
あれは絶対書き手の中にはある心理なんだわ。初心者ではなくある程度の年季が入っていると特に。
自ジャンルで書いていても自分と解釈が違う、同じであっても「いやそこまで言程じゃないでしょ?」というのは、ある程度自分の腕に自信が無いと考えること自体ができないぞ(笑)。
ワタシが二次の作り手友達が少ないのはまあそのせいだよなー。
ちなみに言うと、カクヨムでもの凄く文章として上手いひとだったとしても、二次界隈でも有名になれるかというと、そういうものではない(笑)。
あれは研究がどれだけ支持されるか、というものでもあるので、単に文章が上手いだけではあかんのだ(笑)。
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