55.野球狂の詩平成編・新野球狂の詩 合計15巻/水島新司

 そもそもの野球狂の詩といえば、昭和50年代どす。

 10巻半ばまでの「メッツと他球団の架空の野球選手」のオムニバスだったものと、初の女性投手水原勇気を中心とした話~の17巻までのものなんですが。

 割とこれはリアルタイムに近い時期に読んでました。

 この頃勇気さん18歳。

 高校卒業してすぐプロ。つかすったもんだして協会の規約を変えさせたというアレ。

 ……この時点では「きゃしゃ」。胸も無い!

 実際マジメでうぶで力道玄馬のビーンボールには顔を隠してよけてしまう初期。

 基本的には控えめなんすよ。

 ところがだ。


 平成版全3巻、20年後くらいの設定。

 勇気さんが何で実家らしきとこに娘とおかーさんと「のみ」居るのか判らないけど、ともかく30代後半だよな。

 まー性格変わったわ。よくも悪くも!

 つか変わらないほうがおかしいどす。娘いて、体型も胸がぼんっとなって、そんで何より実に現実的にすたすた動く。

 そんでまあこの3巻までで何だかんだでメッツに現役兼ピッチングコーチ復帰するんですが、これも時代の変化よねえ。ピッチャーの使い方がかつての時代の完投を基本とするものから、役割分担ローテーションに変わったっての。

 いやまあ、それでもまだ彼女が体鍛えていたというのが凄いとは思うし、そもそも何で鍛えていたんだって疑問はあるけどそこは水島マンガだから。


 んで昔は「一番下っ端」だったわけですが、岩田鉄五郎と五利さんが復帰となりゃ、以前の人々が皆引退なりガメッツの監督なりになった状態では、今度は「ナンバー3」ですよ。言葉づかいも態度も変わるわなあ……

 いやまあ、実際おかーさんやっていい娘ができていりゃそのくらいなるだろうけど。

 その後娘の存在はどうしたの状態になったけど!


 あ、それと北の狼南の虎の実のおかーさんが亡くなったという話。

 火浦、王島に切り出し方が唐突すぎですが! 

 いきなり「俺とお前は双子だったんだ」と言われたとこで困るでしょうに。まあ頁数もあったでしょうが、唐突すぎて困ったw

 最初の話はまだ彼等が二十歳になるかどーかの頃だったけど、それから()

 個人的にお友達やっていたとしても、過去を聞きだすとかそういう話が全くないから、読者と火浦しか知らない話を王島がいきなり言われたら冗談にしか聞こえないし! 

 まあそれはもう水島マンガということにしますが。


 で、雑誌の廃刊→移動で「新」になって。

 こいつが全12巻。

 新キャラは基本的に薄い!


 東京メッツ(そもそもメッツ食品だったとは)国分寺球場から、華生堂へ行き、札幌ドームを本拠地に。

 岩田さん五利さんはともかく勇気さん一人で行ったんかいな。まあ実家あるしお嬢さん大きそうだからいいけど…… そもそも出てこないしお嬢さん。

 んでまあ、岩田さんよく投げるよ。そもそも昭和50年代に50代でよれよれだのズタズタだのやってたけど、よぼよぼになってるんだぜ…… 時々救急車用意されてたけどさ……

 あぶさんが50超えてもいい選手だったっての大きすぎるなあ。

 時代変わったってことだよなあ。昔の岩田鉄五郎は50代でよれよれだったんだもの。見る側の意識も変わったわ。

 勇気さんだって当時だったらマジおばさんだけど、40近くともまだ「綺麗~」といわれるわけだから。華生堂の広告でどーんとポスターになってるくらいだわ。


 まあそこで鉄五郎が五利さんとぶつかって五利さん一旦離脱

→鉄五郎+勇気で仕切る

→鉄五郎あごやられる

→勇気監督代行

→連敗

→五利さん戻る

→ほっとして持ち直す

の流れはまあ仕方ねえがな。

 しかし目の下にクマができてキレる勇気さんが出てくるとは思ってもみなかったぜ。


 あーとー、女性選手。時代変わったな、では。

 国立珠美ちゃんはまあいいっす。玉一郎の娘ってことで。

 後半に出てくるガメッツに入る花子ちゃんが、女子ソフト出身の190センチの身長のスラッガーってのが、「ほほう」と思ったなあ。……ドカベンのマドンナのようなバレエは別だけどw

 でも使いどころと「プロ」という点考えれば、それもまあいいかな、と。案外特別感なしに入れてるからよかったなあと。


 賛否分かれそうだけど、そこはもう水島マンガってことで(いやもう、そもそもドカベンを小学校に入る程度の頃から読んでたら仕方ねえって。刷り込み刷り込み)。

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