45.ボクの手塚治虫/矢口高雄

 これはキンドルアンリミテッドにあったの読んで、結局課金したやつ。

 何が凄いってですね。


 まあともかくワタシ「釣りキチ三平」も読んだことないんですよ。話には聞いていても。

 釣りに興味ないですから。

 で、まあ先日「マタギ」読んでて「白土三平と描き方似てるひとかな?」と思った程度なんですが。


 このワタシにも判りやすいテーマで描かれたおはなし見て「この方すげえ」とマジ思いましたよ……

 描かれたのは1989年。そんでこの方長いですから、基本的にトーンとかあまり使わない自然書き込みすげえ。

 で、子供時代のこと、田舎で育った中での本やマンガに触れることの難しさとか、その中で何とか入手するための苦労とか(泣)…… 山道20キロ先の本屋に「漫画少年」一冊のためにチャリで行くんですぜ…… しかもバイトというか手伝いで手に入れたお金で……

 だが気持ちは分かる。判りすぎ。


 その後、従兄から借りた「メトロポリス」。

 これが描き写し+自分のクセ入りで描いてあるんですな。矢口せんせい的生き生きとした斜めコマ+動きの曲線が柔らかいということが加えられて、「あーすげえ好きだったんだなあ」というのが滅茶苦茶伝わってくるんだよな。

 んで、特にメトロポリスの主役ミッチイと、狂言回しのケン一の対決シーンなんだけど、ワタシはずっとこの場面、「男の子のミッチイが女の子の服のまま男に変化させられたから下着が女の子のままの男の子の姿」だと思ってたんだけど、矢口せんせい解釈だとこの時のミッチイは少女なんだな。これは目うろこ。

(ウチには筑摩書房の「新現代漫画全集?」があって、その中の一冊が手塚治虫だったんで、固い装丁の本が結構やわになるまでメトロポリスとかファウストとか読んだんだよなー)

 いや、ミッチイがわざわざ自分で女の子になる必要性がないから、そこは少年のままだと思っていたんだけど、なるほどその格好になっていたから少女に変わっていた、とも考えられるんだよな。髪の毛が長くなってはいたけどそこまで考えなかった。口調も男の子のままだったもの。


 なのでここで矢口せんせいが女の子の口調に変えてるのは願望入ってるんだけどさ。それとも矢口せんせいの持ってたメトロポリスでは少女の口調だったのかな?


 まああとは矢口せんせいが本当にマンガ描くことが好きだということがよーく判ったざんす。

 ということでできるだけ沢山のキンドルアンリミテッドがっーと読むぜ、と思ったのでしたー。

 あ、基本はe-honなんで何処からでも出てますー。

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