39.びわっこ自転車旅行記 滋賀→北海道編/大塚志郎
今回は厳しい。
一応キンドルで読んでですね、現在紙の本も注文中なんですが、やっぱり「……」という部分はあるんですね。
いや、自転車ではじめての長旅のリアルはあるし、今後参考にしたい部分は多いんですが。
あそこのルートは何とか、とか。
ただやっぱり「こんな旅するもんじゃない」記憶から描かれているから、どうも基本的にマイナス気分が漂うのと。
これ「高校生の女の子」じゃあかんエピばかりじゃないですか!
いや無論フィクションとして描いている訳です。そんなん判ってますわい。それは判るんですよ!
が、どーしても何とか警察にならざるを得ないのは、「野宿」のあまりにも不用意さなんですよ!
そこで「え?」とワタシの中の何かがストップするんですよ!
まずヒロインにしている子(作者の体験を反映させている)が、いくら体育会系だったとしても、タンクトップ? に短パン。
それで風呂入らずテントも無しの地べたで一人で野宿は無理!
寝付けないとかそういうのではなく、「身の危険」があるだろ! あのボディで描いている以上!
どう見てもブラつけてないだろ、なタンクトップ? キャミ? でそれはあかんて!
それに最初五日間風呂入っていないというのは十代女子には無理!
しかも洗濯していない着替えをもう一度着るのは更に無理!
ついでに靴下ぶらさげて走るのもあかんやろ…… 確かに男子は北海道で洗濯したものをライダーハウスの外にぶらさげるとかやってましたけどね……
女子の洗濯ものですぜ?
あと女子はもっと荷物が必要。
それとあまりにもルートの下調べ無しすぎる!
兄弟が多い中の男子高校生なら普段から走ってるしー、多少の苦労もしてみなくちゃわからんよなあ、と親も送り出してくれる可能性はあるとは思うんですが。
親も「女の子キャラ」で描こうとするなら、頼むからそこはちょっとでも入れてくれい、と思う訳ですよ!
ゆるキャン△だって元自分がバイカーだったリンちゃん母もそれでも当初はバイクは一応多少の心配はしてますし、そもそもあれは道具揃えてのキャンプ話だからまだ「高校生でもいける」になる訳だし、なでしこの「南部町から本栖湖まであのチャリで」は……ママチャリで浜名湖一周をがんがんにやらされたという過去があれば全く無理という訳ではないんだよなあ……
なのだが、このヒロイン、一日の移動距離が「安物MTB」にしては長すぎるんだよ。
これはママチャリでコミケ行った男の子のレポによると、男子はたぶんそれいける。そんで夜もぎりぎりまで走るならな!
それに雨天でも進む…… 夏であったとしても、確かに自転車は全天候スポーツだし、乾くし、というのはあるんだけど…… それやったら透けるで。
……なのでそう、内容はともかく、何というか「この可愛い女の子キャラでは無理がある」に尽きるんだってば!
これを男子高校生がやっていたら、普通に爽やかに読めたんだろうけど、女子でやられると、どうしても女目線で読んでしまうんだわー……
それこそ「アオバ自転車店」のように普通に男子の記録として描いてほしかったなあ……
リアル体験を判りやすく描いてるだけになあ……
男性読者はそこんとこ何とも感じないのかなあ?
女性でもフィクションと割り切れるだろーか? そこが! この本を楽しめるかどうかの境目だよなあ……
***
追記4/27。
紙の本が来たので、何がやっぱり違和感あるのか、を「女の子キャラでは無理」以外で考えてみたんだけど。(しつこい)
そんでまあ、電子も紙もちゃんとお金払ったので存分に書く(笑)。
いや無論女の子キャラはでは無理だというのは無茶苦茶主張したいのよ、特にこの格好……
対象読者が男性だから仕方がないのかもしれないけど……
で、作者が実は女性ってことないよな? と思って検索したら、やっぱり男性だったし。
フィクションってことはよぉくわかってるんだけど、「作者の体験をもとに」というのが結構前面に出てるから、そこんとこの線引きが、な!
じゃあ読むな、と言えばそれまでなんだけど、情報として知っておくと便利な部分もあるから、……本当にただの高校生男子のキャラだったらどんだけ気楽に読めることだろうと(くどい)
主人公はもう出た翌日くらいから孤独とかホームシックになりつつあるんだよな。
まずこれが残念ながらワタシには一切無い(笑)。
これが高校生だったとしてもそう変わらないと思う……
そうじゃなかったら一人で大学の時に18きっぷの旅なんぞしないぞ。
次。
「車主体のしんどい海岸伝いの道」
……それ日常なんで、……なあ。
海岸どこじゃねえですよ海の上走ってますよママチャリで。
どうも基本的に「海の側はしんどい」という感覚で貫かれてる。これがまた「ワタシには」違和感だったんだな。きっと。
そんでこれ。
頼む長旅するならチェーンをすぐにはめる+パンクの修理は時間がかかってもできるくらいのスキルつけてから行ってくれ……
あ、ちなみにワタシは今のママチャリはそもそもチェーンがそうそう取れませんが、やっすい奴の時にしょっちゅう取れたんで、その時にコツは掴んでるんだ。パンクも時間はかかるができない訳でもない。そもそもパンク剤持ってってる。作者の時にそれがあったかどうかはわからないんだけど。
ホント頼むよ……
……うん、「高台から眺めた町はあっという間に通過できそうな町でまたすぐに坂が始まっているのが見える」別にこれがどうして絶望感を与えるのかが謎だったんだよ……
つまりこの話の主人公は琵琶湖の近く、関西系の基本「街」の人間なんだなー、ということがよく判る訳だ。作者も大阪出身ってあるから、内陸部の、少なくとも過疎地ではないとこのひとだな。
だって我々の住んでるとこってそういう感じに近いもん。
それで絶望感もたれるんじゃって気がしてしまうんだよな。特にうちの辺りは、昔織物業で町だけで結構完結していたので、他の町との間がすこーんと抜けてるのよ。
それが今、さびれまくってしまったから、それこそ過疎地域化しつある訳で。
山間地のそれには無論まるでおよびもしないけど、地方では当たり前な光景やん、と。
だからレベルはともかくそういう書かれ方すると何か反感湧くんだよなあ。
率直な高校生の感じ方だったのだと思うけど、一応形としてマンガ家になった「彼女」の「回想」なんだから、もうちょっと言い方は無いかなあ、と思う訳さ。
その後石狩~雄冬~留萌辺りはまあ確かに、そちら側ルートからだときつい。トンネルも上りだしな。が、風向きによるんだよなあ。
この作者は夏でもおそらく8月に行ったら、7月の曇りだったワタシとは風向きが違ったんだろうかな。
ワタシは南下するのに風向きで死んだんだが、「ただの横風」なら北上の方が楽だと思うんだが。
ただ道がやや違うからかな。
それとまあ、何も無ければ風はひたすら行きすぎるのは当然なんだが……
街の子ということか。
宗谷国道~稚内における風はワタシは感じなかった組なんでなあ……
あと結論だ。
「自分の力とたくさんの人たちの思いやりに支えられているそれが自転車の旅」
間違ってはいない。
つかおそらく大半のひとの自転車の長旅はこれになる。
んだが。
一人が平気で、できるだけ人と接触せず、計画を練りまくって行き、途中の花とか木とか景色を楽しみまくった自分としては、このスタンス自体が解せぬ、だったのだろーなー。
それでいて「終わった後に」この主人公は北海道は地獄ロード的なことを書いてたらしいが、のんびり行き組にとっては、「また行きたい」に尽きるんだよな……
つまりはこの「地獄」ってのは自分で招いてる訳だよ。
北海道がどうの北海道までのルートがどうの、というより下調べの悪さに尽きるの。
若さゆえと言えば何だけど、三週間で15万円で琵琶湖のあたりから北海道まで走って宗谷岬まで行って戻る、というルート選定自体に超無理がある訳だし。いくら体力があると行ってもくだくだくだくだくだ……
とまあ、ようすんに、「若さで何でもできる」のはいいけど、やっぱり下調べはしていけや、と思いたくなるんだよ……
北海道には安いキャンプ場も多いっていうのにただひたすら野宿って……
携帯で電話はしているけど、まだネットには繋げなかった時代かな? もしそうだとしたら、更にもっとそういう下調べは本とかでしておかなくちゃいけないと思うんだけど……
これはもう本というよりは、作者叩きになっていて何ですな。
しかしまじ旅した奴としてそう思ってしまうんだから仕方ないんだよー。
****
追記。
あとで続編の電子で買った単話売りの帰路の分見てみたら、一応パンク修理はできてた模様。
だがしかし、やっぱり「地獄だった」というのは……
あとやっぱりMTBで行く距離じゃないよ…… 安物(1万)24段変速ということは、結構な重さだったと思うし、スポークが外れる? ようなものは。
やはり解せぬ。
*
さらに追記。
サロベツ原野は晴れてると北上でも風は強い。だがそれは速く走ろうとするからだろう。
そんなに速く走りたければバイクに乗れ。
筆者のこのシリーズの前身、「漫画アシスタントの日常」のAmazonレビューに、主人公シホの性格に関して指摘してあったものがあって、もの凄く腑に落ちた。
びわっこシリーズを通しても他姉妹キャラに高2病と揶揄されているところがある。
つかそこじゃない。ともかくシホは四姉妹で移動している時でも「偉そう」なのだ。全体通して。
そもそも最初の巻で姉妹で東京から滋賀まで帰る設定なら、昔死ぬ思いだった箱根をわざわざ選ぶ意味がわからん。
無論描いた順があるんだろう。まだ単発だった話だから過去の辛かった体験を使った。
ただそこで既にシホは経験済みだと言っている。経験者だとしたら「もっと走りやすい道」を選ばせないか? その上で箱根の峠越えするならともかく、忙しい合間を縫っての帰省で、しかも姉妹のロードバイク乗りとしては地理に不勉強過ぎないか?
で、経験者だということで上から目線でアドバイスするんだが、いやそれ違うだろもっとちゃんと計画たてろや、と言いたくなる。
というか妹は後に使いこなしてるが、あまりにもシホがアナログすぎる。これはもう漫画アシのほうでも思うんだが、デジタルが全く出てこないあたり、そこにアップデート出来なかったんじゃないか? とまで邪推したくなるわけだ。
で、そのシホのメンタルと勉強のタイプとか出てたが、本当に実に個人的に信じているやり方で上手くいっているのってアシのアナログの腕と、過去の弓道では敵無しかだったが〜だが、実はただの自慢になってるだけなんだわな。
はっきり言ってちょいちょいアシの方でも弓道部カットが出てくるんだが、要らない。
この作者は経験をそれっぽくまとめているが「フィクション」として足りてなさがズレを起こして気持ちわるく感じる訳だ。
これはあくまで自慢入りのルサンチマン入りまくりの作者のメアリ・スーによるコミックエッセイに毛が生えた話なんだよ。
びわっこシリーズで四姉妹での話にしても、最低限着替えか洗濯の場面が無いと本当に女の義体に入った野郎に過ぎないんだよな。
道で起こるリアルさに対して、狭間の出来事が女子のそれじゃない。一度汗だくになった服を風呂入ってまたすぐ着るなんてゾッとしないか?
キャラ全体の格好含めていつも同じアイコンを安直に使ってないかと。
と言うか、人との関わり〜でまとめている割に「地獄だったもうするな」は無いと思う。
この偉そうな上から目線と「自分の体験以上のディテイルが描写できないもしくはアイコンで誤魔化す」が続く以上、ネタは尽きる。
そう、上から目線と言われればあの北海道の集落と集落の間に〜のところに不快感を覚えたのも納得がいくのだ。
若い頃だけでない、現在でもある程度そう考えてないとあの描写は「無い」。
日本国内で「そうでない」とこなんて都市部だけだ。
弱ペダの作者せんせいの「ツール・ド・夏休み」は楽しさがいつも伝わってくる。あのさらっとした絵だけで!
親しみやすさ、人柄も伝わってくる。道中楽しんでる。
確かに楽しみ方はそれぞれだけど、この作者とは話が合いそうにはないと思う。
あと弁天島駅前は野宿しやすいかもしらんがするんじゃねえ。渚園という格安キャンプ場もあるんだ。
そういうことも情報を自身で何で得ないでます野宿という短絡的な方向に行くのか解せぬ。
とまあ追記でも散々なことを書いてしまったが、つまりは透けて見える作者自身に「つい疑問を」持ってしまったからゆえの全巻買いなのである。
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