第104話 また明日

「じゃ、また明日」


アマロックがおもむろに立ち上がった。


「・・・は?」


「ちょっと行くところがあるんでね」


「あ、、、そうなんだ。」


当然、一緒にいてくれるものだと思っていた。


楽しい時間になりそうだと思っていたのに、こうして焚き火の前に並んで、おしゃべりして。。。

大体、こんな見渡す限りの原野で、行くところって?


同じことを他の人間の男にされたら、アマリリスは烈火のごとく怒るだろう。

けれどこの魔族という生き物のテンポは、どうもそういうタイミングを逃してしまうのだ。


「・・・じゃぁ、ね。」


アマロックは闇の中に立ち去りながら、背中越しに言った。


「焚き火は消した方がいい

魔族が寄ってくる」


「・・・は?」



聞き間違いかと思った。

けれど確かにそう言った。


魔族って、、、

焚き火を消せって、、、


そんなところに、ひとりぼっちで一晩、、?

はぁ!!?

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