かわいそう

聞くに耐えぬ怒鳴り声。店を出て、広くない通りを挟んだ向かい。盗撮されたと女性に吠えたてる老爺が見えた。こちらからは、女性の手元の端末には地図が表示されているのがわかる。老害に絡まれてかわいそうに。介入すべきか私が二の足を踏むうち、地味な色の髪を束ねた女性は、眉を下げてこう言った。そんなに何かに怯えてかわいそうに。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る