理解者(仮)
勉強はできてるんだから塾なんて行かなくていいだろ、と言う父。私は知りたいこともわからないことも沢山あるのに。弟の点数は1桁だった。それで彼のことは塾に行かそうとした。私は体験授業の付き添いを申し出た。飛び交う解説や質問、合間の談笑に、胸がきゅっとなる。弟を待つ間に、あの人は言ったの。お姉さんも、自習しにおいで。恋にでも落ちたみたいに、心が跳ねた。
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