僕の世界

試合の間は、誰だってたった一人だ。ここに立つまで歩んだ道も、僕だけのもの。広い世界に自分とこの手に触れる道具だけの、白い暗闇。目の前のことに全神経を傾ける心地よい世界。

白を裂いて声がした。あの日僕とこの世界を出会わせてくれた人。僕の在り方を認めてくれた人。同じものを追いかけてきた人。彼らはずっと、僕の世界にいたんだ。あの向こうに。ここはもう暗闇ではないけれど、身体は変わらずに動いていた。眩い光の中で、自分が笑っていることに気づいた。

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