日常

清潔な手袋をした執事が恭しくリムジンのドアを開けた。彼はそれに乗り込み、ゆったりと座席に体を預ける。

駅へ向かう学友たちが窓の外を流れる。それを横目に英国王室御用達の高級紅茶を口に含む。勿論茶菓子も最高級品だ。働き、学び、遊び、食べ、愛し合う、愛すべき庶民の生活圏を通り抜け、自宅の敷地へ。整備された庭を抜け、噴水を通り過ぎれば、正面玄関だ。

今日はピアノと茶道と経営のレッスン。彼は使用人にずらり迎えられ、麗しき今を享受すべく邸宅の床に足を下ろした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る