耳を塞いで
兄さんと同じくらい優秀にならないとみんな僕を愛してくれないんだ。だからいっぱい本を読んで、勉強して、苦しくて。
なのに……あの子はいつも飛び回って笑ってるのに、なんでも出来る。嫌いだ。
「ねえ」
僕の肩を掴んで、あの子は言った。
「なんでいつもどっか行っちゃうの?君と仲良くしたいだけなのに」
あの子はいつも僕を仲間にしようとして、話を合わせようとして、でも僕は聞いてなかった。僕のことなんて誰も好きじゃないと思ってたから。
僕が嫌いなのは、自分のことだったんだ。
2020/04/03
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