トリロニー・ホープ?

「第二のしみ」事件のことを忘れたのか? あの機密書類を盗まれた外務大臣さ。機密書類といっても、外国のお偉いさんが一時の感情で書きなぐった手紙だったな。奥方も元気だといいね。



【ネタばらしコラム】

注 以下、「第二のしみ」についてのネタばらしがあります。




 トリロニー・ホープの奥さんが昔、出した恋文をネタに、機密書類を盗み出した。というのが、事件の真相。脅迫者は取引の最中に刺されて死に、手紙と機密書類を取り戻したはよいがどうにもできず困っているところをホームズが救います。

 書類は盗まれてなどおらず、いまだに文書箱にある。という無理筋な推理をして、隙をついてホームズが書類を戻すという解決が痛快。小説よりも、グラナダ版のドラマがより気持ちいいです。

 ホームズ役のジェレミー・ブレッドの演技とカメラワークで実にうまいこと表現しています。

 そもそも盗まれていなかったというのが、ホームズの方便と察した首相がラストに「裏事情があるんじゃないか」とホームズに訊ね、「探偵にも外交上の秘密がありますので」とかわすのもオシャレ。深追いしない首相もさすが。

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