ベッポ?

「六つのナポレオン」の事件さ。あのイタリア人のゴロツキだよ。腕のいい職人だったらしいから、真面目に働きさえすれば、また違った人生もあったのかもしれないね。




【ネタばらしコラム】

注 以下に「六つのナポレオン」のネタばらしがあります。





 また「六つのナポレオン」から。この作品ですが、個人的に好きなエピソード。

 砕いたナポレオン像から黒真珠が出てくる映像としてインパクトのある真相は、論理的な推理でたどりつけるものでないのですが、雰囲気がいいです。次々と壊されるナポレオン像という謎は、当時のイギリス人には今の日本人とは別の魅力があったはず。世界史もちゃんと勉強しましょう。

 盗んだ家の玄関先ではなく、なぜ少し離れた場所で像が破壊されていたか、という謎に対するロジカルな推理は「鳴かなかった犬」級の傑作だと思うのです。

 ちなみにイタリア系の名前で、真っ先に私が思い浮かべるのが「ベッポ」なのは、この作品のせい。

 生乾きの石膏像に真珠を埋め込んだら、やはり、わかるんじゃないかという大人になってから読み直したときの疑問は「だから腕のいい職人という設定なんだって」という心の声で解決しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る