2 リサーチ
俺は家に帰った。
高校入学とともに始めた独り暮らし。今のところは上手くいっている。
独り暮らしとは言っても、秘密機関の人間に電話をかければいくらでもサポートしてくれるから楽なもんだ。
コーヒーを淹れて一息つくと、リビングのテーブルに、資料をズラーっと並べ吟味する。
もちろんこれはクラスメイトの女の子の資料だ。
城ケ崎はおっぱいを揉んだせいで、関係修復に時間がかかってしまう。
そんな効率の悪いやり方を賢い俺はしない。
とっとと次のターゲットに移るべきだ。
そして、仮に一人駄目だったとしても大丈夫なように、同時に複数人にアタックをかけるべきだ。
だから、この吟味は次は誰にするか、というよりそれぞれにどうアプローチをかけるべきか調べているのだ。
「うーん。全員可愛い……」
本当に凄いことだと思うのだが、俺の女子クラスメイトは全員可愛い。
不細工とかデブが一人もいない。
これでは美人の有り難味が減るのでは? という懸念の声が聞こえるくらいだ。
だが、実際に美人の有り難味が減るという珍妙なことは起きない。
大体、有り難味ってなんだ?
ぶっちゃけそんなに可愛くない子でも、男集団の紅一点だとモテるとか、そういうことか? だったらそんな有り難味は要らない。
出来るだけ多くの人間にアプローチをかけると言っても、俺の体は一つ。
限度というのがあるので、出来るだけ俺の好みに合う子を優先的に狙っていく。
つまり巨乳の子だ。
まず目につくのは、学級委員の帆風恵美。
学級委員をやるだけあって、さすがはエッチな体つきだ。
学級委員か風紀委員は、エッチだと相場が決まっているが、彼女もそのご多分に漏れない。
黒髪ロングで真面目な印象。その割にスカート丈は膝上で、どちらかというと短いのがミソだ。是非とも困らせたい。
学級委員が、不良を注意している内に放っておけなくなり、恋に落ちるというのは王道パターンだ。是非とも狙っていきたい。
特に、真面目な学級委員が『教室で』エッチするというのは格別にエッチだ。
「春はあけぼの」に載せて良い趣深さがある。
次には、いつもブラウスのボタンを三つ外しているサービスガール、またの名を女神。
西城加恋は、ウェーブのかかったセミロングの茶髪。ギャル系。
もちろんスカートも短いです。何かの撮影かと疑います。
結構遊んでそうだし、ギャルは優しいと聞くので、イチャイチャラブラブエッチするなら狙い目でしょう!
他には、休み時間にはいつも自分の席で、本を読んでいる文学少女、川上桃子。
黒髪ボブ。
字を追う真剣な眼差しは、思わずドキッっとします。
この一週間あまりで、彼女が隠れ巨乳であることを見抜いた人間が、私以外に居るでしょうか?
男慣れしていなそうだし、容姿端麗な俺が押していけば簡単かもしれない。
他にも巨乳は居るし、巨乳とまではいかなくても普通にある子もたくさん。
より取り見取り。
とりあえず巨乳優先だが、手当たり次第に声をかけていこう。
絶対に彼女を作ると俺は改めて意気込み、コーヒーに口をつけた。
「マズっ……」
資料に集中しすぎて、コーヒーは完全に冷めてしまっていた。
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