第285話 星の神殿での開戦
クロノスのお陰でダンジョン内に安全な拠点を作成する事が出来た。
この先にはさらに恐ろしい魔獣や魔物が待ち構えているようなので、Aランク以下のメンバーを連れて行くのは困難だという。
そんな事もあり、この安全な拠点を作れたのは良かったと思う。
この先で俺らが全滅するような事態に陥らない限りは、残るメンバーは大丈夫であろう。
正直、万が一にもクロノスがやられるとは考え難いので、配下になったカースオブクイーンが敵に戻る事は無いだろうし、ここが一番の安全な場所となる。
カイト達も残ってくれるし、ニクスも置いていく。
このメンツだけでも、ダンジョン内に発生する魔物や魔獣なら問題なく対処出来るので、俺達は先に進むことにした。
補給部隊もここで、留まって貰うのだが聖女は必ず連れて行かないといけないので、星の神殿に入っていくのは以下のメンバーとなった。
俺と、聖女であるリン、アリア、サナティ、そしてセツナだ。
俺の相棒であるニケとカルマ、そして竜の双子であるディアナとヘカティア、リンの相棒となったクロ、そしてセツナの相棒であるセリオンだ。
そして、俺らをサポートしてくれるのが魔王クロノスとなる。
冷静に考えたら、このメンバーだけで王都を落とせるんじゃないかという程の戦力だが、ここに生息している魔獣や魔物達も似たようなものだった。
どれも化け物級のステータスを誇り、単体で町をひとつ壊滅させれる程の強さのものしかいない。
そんなのが、辺りを徘徊している。
ざっとあげると以下のようなのがいる。
スターウルフ SSランク (狼系最上位魔獣)
スタークラーケン SSランク (クラーケン系最上位水棲魔獣)
スターウィドウ SSランク(蜘蛛系最上位虫型魔獣)
スターウィスプ Sランク(精霊系最上位妖精)
スターゴーレム SSランク(ゴーレム系最上位機械)
スターフェンリル SSランク(フェンリル系最上位星獣)
スタードラゴン SSランク(スタードラゴン系最上位星竜)
どれもHPは10000を超えていた。
それも一匹や二匹ではないのだ。
先ほどのダンジョンほどではないが、それでも視認出来るだけで複数存在しているのが分かる。
この難敵を駆逐しながら進むとなると、まだまだ時間が掛かるのが目に見える。
星の神殿固有の魔物達なのか、すべてに『スター』の名称を冠している。
というか、正直聞いたことも無いやつばっかりだ。
唯一、クロと同じ種族がいるくらいだけど、あれって魔改造されたからなった種族じゃなかったんだろか?
「なぁ、クロと同じ種族いないか?」
「あれは、ここにしか生息しない魔獣です。また、狼型の魔獣としては、最終形態になるようですね。LBOでは、実装されなかったらしいですが、データ自体は存在しているみたいですよ」
「さすがカルマだな。そんな情報も持っているのか」
「はい。一応我にはLBOに存在したデータをすべて記憶しておりますからね。しかし、HPが高くてタフではありますが、クロのように訓練された個体ではありませんから、ヤツよりも戦闘力は下でしょう」
「そうなのか?それだといいのだけどな」
「はい、主様。私から見ても、クロ程ではないでしょうね。ただ、それは別としてもかなりの強敵には違いありません。これは…久々に手ごたえがありそうです。私もここからは本気で戦いますよ!」
「うむ、我も肩慣らしは終わった。これからは存分にチカラを発揮する事にしよう」
そんな息巻くふたりに感化されてなのか、竜の双子も参加する。
「はいはーい、私達も頑張るよ~!ね、ディナア!」
「はい、ここからは本気モードで行きましょう。主様に、私達も成長しているのを見せるのです」
ここからは、惜しみなくチカラを使って倒すと宣言する二人。
いや、その先に星の精霊の試練があるんだと思うんだが、大丈夫か??
「ふむ、どうせ精霊の試練とやらは、ユート殿がやらないといけないのだろう?だったら、私達もここで奮闘しないといけないな。ここで我らの日頃の成果を見せてやろう!」
とセツナ迄やる気まんまんだ。
そういや、何気に近くで本気を出して戦うセツナを見たことないな。
いつもは子供たちの指揮を任せているから、本人が周りに気を遣わずに戦う事が出来ないからな。
そこはちょっと楽しみかも知れないな。
「じゃあ、各自展開してくれ。俺はアリアとサナティとリンを守りつつ支援に徹するから」
「え~、パパ!私も戦うよ!」
「いやいや、いくらリンが強くなったからって、ここに居るのは全部格上だぞ!?流石に無茶が過ぎるだろう?」
いくらリンが強くなったからって、流石にSSランクが蔓延るここでは危険が過ぎる。
流石に許可できないと思っていたら…。
「主ヨ。我ガ一緒ニ行ク。ダカラ、問題無イゾ」
とクロが申し出てきた。
えっと、クロさんいつまに戦闘に前向きになられたんですか?
前は影にひっそりと潜んでいるイメージだったのに。
「クク。主よ、きっとここに同種族だと言われている魔獣が跋扈しているから、その違いを見せたいのだと思いますよ。それにはリンと一緒に出るのが一番チカラを発揮するということでしょう」
「うんうん、きっとクロっちはアイツらより格下のリンを守りつつ戦っても自分の方が圧倒的に強いというのを見せつけたいんだよ!」
「ヘカティア、あんまりそう言う事をヅケヅケ言うとクロに嫌われますよ?」
どうやらカルマとヘカティアの言ったことが当たっているのか、尻尾がしゅ~んとなっている。
なんだ、姿かたちは変わっても、中身は出会った時と変わらないんだな。
なんか愛嬌が増したかもしれない。
出会った頃を思い出して、撫でてやりながらも一つ命令を出した。
「よし、分かった。絶対リンを傷つけさせるんじゃないぞ?それでいて、アイツらを圧倒して来い!」
そう言うと、クロは『ウォンッ!!』と一吼えして返事をしてリンを乗せて先陣を切っていった。
「よし、クロに続いて皆いくぞ!全員前進!全てをなぎ倒せ!」
「「「承知!」」」
「「了解!」」
こうして、星の神殿での戦いの火蓋が切られた。
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