第194話 火の鳥狩りへ
本当なら俺一人の方が都合が良いのだけど、初めて来るというメンバーが思った以上に多かったので、見学がてらにチームを複数に分ける事にした。
まずは先頭の第一チームが、俺とリン、レーナ、アーヤ、サナティとマイニャさらにメイアだ。
マイニャはかなりランクが低いが、俺のテイムスキルを見学してもらうために連れていく事にしたのだ。
そのためメイアが護衛兼、俺の世話係として付いて行くと言ってくれた。
ついでに実戦で二人のステータスが上ってくれると、この先助かるんだけどな。
まぁ、無茶はさせない方針だ。
リン、レーナ、アーヤの3人娘は元から友達同士なので、息がぴったり合うのを生かし実戦でそのコンビネーションを試しておきたいと思って選んだ。
3人ともAランクと言うのもあり、バランスも申し分ない。
サナティは元々回復魔法のセンスがいいのと、早くランクAに上がって欲しい思いもあり、俺のチームに入れている。
ちなみに『
バックアップにはもちろんニケとカルマもいる。
ヘカティアとディアナには、後続チームのサポートに回って貰う事になった。
第二チームはセツナ率いるチームだ。
ショウタ、ユウマ、ダイキ、ガント、シュウの男子のみの構成。
ガントが華が無いなと呟いたら、
「ほう?私は女として華が無いと言いたい訳だなガント殿は」
と殺意の籠った目でガッツリ睨まれて、背中から汗をだらだら流してた。
口は災いの元である。
このチームの回復役はウィザードのダイキがやることになる。
なのだが、回復は得意では無いと言うので、今回の探検は練習がてらに回復魔法をメインで使うように指示しておいた。
ガントも折角だからメイスをもっと上げておけと、戦闘に参加するように言っておいた。
シュウは少し年上のお兄ちゃん達と一緒に戦闘に出るとあって、珍しく緊張しつつもわくわくしている感じだった。
「ショウタ
と早くも懐き始めている。
意外と上手くいくかもしれないな。
ちなみに今回の出発前に、カイトに頼んで『竜騎士』のスキル伝承をセツナ、レーナ、アーヤにやってもらった。
さらに『騎乗戦闘』のスキル伝承を、この間の【地獄の塔】で馬に乗って活躍したショウタ、ユウマ、ダイキにやってもらった。
これでダンジョン内だけでなくフィールドでも戦いが有利になる。
スキルが上がれば上位の騎乗生物にも乗れるので、そのうち調達しないとだな。
「スキル伝承って結構疲れるんですよ?ほんと、ユートさん容赦ないですね…」
と途中で愚痴を言っていたが、前からそういう約束なので文句は言わせない。
それにだ…。
「カイト…温泉来てよかっただろう?貸し切りじゃないと、
「う…それを言われると。ええ、もう喜んでやらせていただきますよっ!」
半ばやけくそになっていたが、仕事はちゃんとやるのがカイトの性分。
どこまでいっても、真面目なのだ。
全員のスキル伝承をキッチリこなしてくれた。
カイトのおかげで戦闘中の機動力が向上したので、一気に移動が必要な場所などの攻略は、スキルを持ったメンバーでパーティを組むことになるだろう。
ひとまず乗り物の調達が必要だな。
本当ならペガサスが欲しい所だが、この地域には生息していないので今回は諦める事にした。
ここらで良く見かける、毛がふさふさでつぶらな瞳が特徴的な"リャマ"を捕まえる事にした。
意外と力持ちで、荷物運搬用にも利用されている動物だ。
馬ほど早く走れないけど、その分小回りが利くのと、スキルを持たないメンバーでも乗ることが出来るのが特徴だ。
なので譲渡して、
武器を背負った戦士や魔法使いがリャマに乗るとなんとも可笑しくなるが、LBOでは"リャマレース"なるものがあるくらい人気の騎乗動物なので、文句も最初だけだ。
次第に可愛くなっていくのだ。
ちなみにリャマに乗ったセツナを見て噴き出したら、顔を真っ赤にしたセツナに(リャマに乗ったまま)追い掛け回されたのは余談である。
本人には悪いが、その怒った姿ですらとても可愛かったとだけ付け加えておく。
話を戻そう。
第三チームのカイトのパーティは、最後尾から昇ってくる予定だ。
Sランク5人のチームなんて、過剰戦力なので殆ど遊覧に近い。
俺らが出発する1時間後に出発するように言っておいた。
「分かりましたよ、では俺らは景色を堪能しながら登っていきますね。何かあればお知らせください。グランで駆けつけますんで」
「ああ、頼んだよ。なんせ火山だからな。いつ噴火してもおかしくないところだから、そういう緊急事態のときは頼んだぞ」
そんな話をしたあとに、俺が率いる第一チームは出発した。
今回のギルドからの依頼は二つ。
・"ファイヤーバード"の活発化の原因の調査
・"ファイヤーバード"の討伐(100羽)
普通に100羽指定してくるあたり、高ランクと踏んでかなり無茶な依頼を出してきたなと思ったが、期間に指定もないし、【ウィンクルム】として依頼を受けているので誰が倒しても構わないので、良しとした。
ただ、俺の予想では"活発化の原因"を取り沿いてしまうと、そんなに沢山の"ファイヤーバード"と遭遇することが難しくなると思うので、今日中にやってしまいたいと思っていた。
「いいか、最初の目標は飛んで襲ってくる"ファイヤーバード"の討伐だ。ユニオンで100羽以上を駆除しないといけないので戦闘職のメンバーは最低一人5羽討伐すること!ちゃんとコアを回収するんだぞ~?」
"ファイヤーバード"は鳥の形をしているが火の精霊の眷属だ。
そのため、精霊の核みたいなのを
今回は討伐の証明として、その精霊の核を指定された。
ちなみに羽根も肉も取れるので、倒したらすべて回収するんだぞ!と念を押しておいた。
「さて、出発だー!」
「「「おー!」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます