Turn191.元賢者『格闘武器』
次点に鏡の中から引っ張り出したアイテムを見て、ニュウは不安げな表情になる。これまでのど派手な武器とは違って、見た目には大きめの革のグローブとシューズである。
一抹の不安を抱きつつも、もしかしたら強力なものではないかと両腕に嵌めて、近くに居たスケルトンを試しに殴ってみる。
──バァンッ!
すると──スケルトンだけではない。パンチを放った直線上に居た不死族のモンスターたちが同時に消し飛んだ。
「あら……?」
ニュウは思わず目を丸くした。
シューズの方も履いてみて、その場で回し蹴りを繰り出す。空振ったが、今度は後ろに居た敵が半円状に消し飛んだ。
衝撃波でも出ているのか、直接触れずとも敵を消滅させられるようだ。
「これも……すごい威力ね」
ニュウは感心したものだ。
それに、扱うのにそこまで力がいらないことも高評価であった。軽く手足を振るっただけで──その軌道上のモンスターが次々に消滅していくのだ。
「てぇえええいっ!」
ニュウは気合いの雄叫びを上げると、手足を闇雲に動かして盛大に暴れた。
──着実に、不死身の軍勢の数は減らすことができていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます