チロルハイムの四次元彼女は魔法の鏡に映れるか

プロローグ 〜銀幕の中のあなたへ〜

 ねぇ。

 あなたは、誰?


 銀幕に映るあなたは、美しくて、輝いてて

 この世のものとは思えない、白い星のように見えてくる


 今日も素敵だねって、みんなに褒められて

 今日も綺麗だねって、みんなに声をかけられて

 スポットライトの光を一身に浴びながら、皆から注目をかき集めて


 まるでわたしとは、正反対だよね


 わたしはあなたのように、素直じゃないし

 わたしはあなたのように、強くもない


 誰にもわたしの手には触れることができなくて

 誰にもわたしの声なんて届くことができなくて


 わたしはいつもここで、ひとりだった


 でも、さ……


 わたしは今でもまだ信じられないのだけど

 本当にあなたは、わたしなの?

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