毒親を水泳コーチに例えると

毒親育ちであるためにいかに生きづらくなっているか、本人も自覚していないことはよくあると思います。

自分自身、10代後半~20代前半くらいまではずっと、

「甘えた子供のままでいる自分が悪いんだ……!」

と思っていました。

だから今日は、毒親の悪影響を分かりやすく伝えるために、両親を水泳コーチに例えてみます。

例え話に出てくる「水泳」や「泳ぎかた」は、具体的な仕事などのスキルではなく、対人関係や社会生活全般のスキルのことだと理解していただきたいです。


まず両親は、自分(大沢)が全く泳ぎかたを知らないうちから、「とにかくプールに入れ」とだけ言ってきました。

そして水に入るのを渋っていると、水を引っかけられたリ、無理やり顔を水に付けさせられたリしました(そういう身体的虐待を実際に受けたのではなく、「プレッシャーをかけられた」という意味の例えです)。

それから言われるがまま、浮かびかた・ばた足・水のかきかたなどの基礎も全く教わらないままに、自分は泳ごうとしました。

当然スムーズに泳げるわけもなく、何度も溺れました。

そして、自分が水を飲んでげほげほせき込んでる時に両親は、

「息継ぎがなっとらん!」

「しっかり水を蹴れ!」

なんて怒鳴ってきて、挙句の果てには、

「そんな泳ぎでは通用せんぞ!」

「こんなに教えてるのに何で泳げないの? もうあんたに教えるのうんざり!」

とまで吐き捨ててきました。


そんな指導(というか、指導でさえないただのパワハラ)を受け続けてきても、水や泳ぎへの恐怖が積み重なるばかりで、泳ぎが上達するわけはありません。

同じような「指導」を受け続けてきて、泳ぐこと自体を諦めてしまった人もいると思います。あるいは、まともな泳ぎを学べないまま社会の荒波に出て、溺死してしまった人もいると思います。

自分も、両親以外のいろいろな人から泳ぎかたを教わってきて、今はどうにか浮かびながらばた足でちまちま進める程度です。


この記事は、

「それでもただで泳ぎを教わったんだから感謝しなきゃ」

なんてありがたいお説教をくださる人に向けたものではありません。

ただ、昔の自分のようなかたになるべく早く、ご自身がいかに成長を抑圧されているか気づいていただきたい。そして、その抑圧者たちから、今できる範囲でも距離を取っていただきたい(念のために言っておくと、その手の相手に説得やお説教しても効果はありません)。そういう思いで書きました。

この記事が、毒親育ちのかたの自覚のきっかけになれば幸いです。

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