美しい世界観と人の願いが、読む者の心を揺さぶる

颯太は、兄の働く古物商店に売られた一冊のノートを手にする。それは彼の愛読書、【黄昏の慟哭】の作者、ダークティアラが書いたものだった。

そこから颯太はダークティアラに纏わる事情を知っていく事になるのですが、ジャンルにも書いてあるようにこの物語は現代ファンタジー。当然起こる話も、現実離れしたものとなっています。
なのに本作が読む人の心を惹き付けて話さないのは、物語の核となっているのが、「人の願い」という誰にとっても寄り添えるものになっているから、そしてその描写が非常に優れているからだと思います。

事情が明らかになる度に、そして揺れ動くそれぞれの心情を見る度に、時に切なく、時に温かく、まるで直接心に触れてきたように感情が揺さぶられます。
願いが織り成す物語に、あなたも心揺さぶられてみてはどうですか?

可愛い犬やハムスターも出てくるので、動物好きな方は必見です。

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