その両方にいい顔しようとして
私は、
『悪役にもそうなる理由があったはず』
って考えるようになったことで、モラハラパワハラなんでもありの両親や兄に対して、無駄に攻撃的になって余計な面倒を起こさずに済んでる。
あの人達だって生まれついてそうだったわけじゃない。ただ、幼少期を中心に<そうなる理由>がありすぎてその通りになっちゃっただけなんだ。
父親は典型的なモラハラ男で務め先でも絵に描いたようなパワハラ上司。
母親は、今で言う<ママ友カースト>のトップで、気に入らない母子は仲間と一緒になって全力でいびり倒すモンスター。
兄に至っては、父親譲りのモラハラパワハラ男で、しかも勤め先でパワハラを極めて被害者を自殺未遂まで追い詰めてとうとう訴えられて、がっつり負けて損害賠償請求されたけど、今度はそれは自分のせいじゃなくて会社に命令されたからってことで本当の責任は会社にあると自分が原告になって会社を訴えてる。
いやはや、ホントに大した人達だよ。悪い意味で。
世の中にはさ、親に対する恨みつらみを口にする人に対して、
『育ててもらった恩も忘れて』
とか、
『親のせいにすんな』
とか、親を擁護するようなことを言う人がいるけど、たぶん、そこまで子供に恨まれて嫌われるような親って、自分の子供にだけじゃなく、他人に対してもやってるよ。
大概なことを。
私の両親みたいにさ。
で、そういう親が他人に対してやってたことが明らかになると、途端に擁護の声は消え失せて、単なる<加害者>として全力で叩き始めるんだろうなあ。
まあそれはそれとして、私は、両親や兄のことを嫌ってはいるけど、少なからず憎んでもいるけど、だからって復讐したり仕返ししたりってことまではせずに済んでる。
あの人達にはあの人達なりにそうなる理由があったんだろうなってことでさ。
でもなあ、そう思って悪役側の突っ込んだ背景描くと、今度は、
『悪党の事情とか知りたくもない!』
って言われるんだよ。
主人公を引き立てるために悪役に徹すれば、
『舞台装置にされてる!』
とか言われるしさ。
しかもそのどちらも、
<読者の声>
<視聴者の声>
なんだよ。
『悪党の事情とか知りたくもない!』とか『悪役が舞台装置になってるのは気に入らない』とか、そんなの完全に<個人の好み>じゃん。その両方にいい顔しようとして中途半端になったらそれこそ本末転倒じゃん。
そうやって自分の好みを一方的に押し付けようとするから作り手側も迷走するんだよ。
だからさ、作り手側自身が面白いと思うものを全力で作るってのが、結局、ベストなんだと思うよ。
だってさあ、作り手だって多くはかつて読者だったり視聴者だったりしたわけでしょ? その頃に自分がどういうのを『面白い』と思ったのか考えるのがなんだかんだで一番の近道なんじゃないの?
そしてそれが、
<読者の視点>
<視聴者の視点>
ってことだと私は思うんだよね。
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