お掃除ロボット、活躍する
こうして、岩丸ゆかりと
<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>の主要メンバーの多くは拘束されたと見られるものの、それでも新たに<仕掛け>が作動したりもしていた。
が、同時に、<仕掛け>そのもののデータも得られたことから、作動前のそれをロボットによって除去する作業も進められていた。実際に作業しているのは、それこそこういう場合に危険物などを回収するために作られたいわゆる<お掃除ロボット>だった。
<お掃除ロボット>は、普段は街頭や様々な施設で清掃作業を行うのが主な役割の、メイトギアやレイバーギアに比べれば機能が絞られ構造も単純に作られた安価なロボットではあるものの、今回のような危険物除去には大活躍してくれるロボットである。
メイトギアやレイバーギアに比べれば安価なので、その分、破損しても経済的なダメージも少ない。
実際、<お掃除ロボット>が仕掛けを発見して人間を近付かせないようにして、さらに電波が届かないように処置しようとしていたところで作動して、火柱に吞まれ、破損した機体もいくつもあった。
それでも、一切、怯むことなく淡々と対処していく。地味で目立たない存在ではあるが、このロボット達も、今の人間社会を強固に支えてくれている存在なのだ。
黙々と、淡々と、どれほど仲間が破損しようとも。
これにより、多くの仕掛けが無力化されていった。こうして新たに作動する仕掛けが減っていくと、徐々に騒ぎが沈静化する気配が見え始めた。
ニューオクラホマ市の広報からも、
「今回のテロは、発火装置の威力も小さく、すでに多くが対処済みですので、市民の皆様は冷静な対処をお願いします。また、不審物を発見した場合には決して触れることなく、当局に通報を」
との呼びかけが本格的に始まると、一部の不届き物が冷やかし半分で近付こうとして警備のレイバーギアに取り押さえられたり、仕掛けが作動して火傷を負ったりということもあったものの、幸いにもここまで死者は確認されていなかった。
そんな中、サーペントに続き出動した軍や警察の各部隊が次々と容疑者を確保していく。
状況そのものは終わっていないが、明らかに<潮目>は変わっていた。
多くのメンバーが潜伏していると見られていた<ウルヴァリン・ガーデン>にも、サーペントの作戦が一段落したことにより、警察や救急の出動が認められたのだった。
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