サーペント、ウルヴァリン・ガーデンへと急行する
ニューオクラホマが擁する対テロ部隊、<サーペント>は、軍用フローティングヘリに登場し、夜でも灯りの絶えない街の上空を、<ウルヴァリン・ガーデン>目掛けて急行した。
華やかな光に包まれたニューオクラホマではあったが、<ウルヴァリン・ガーデン>の部分だけは、明らかに暗く、まるで地面に空いた大穴のようにも見えた。
初期に開発された区画ではあるものの、だからこそ当時の住人達の権利関係が非常に複雑になってしまったこともあり、設備の更新が遅れに遅れて、機能不全に陥っている地域なのだ。都市としての
運用されているAIも非常に旧式で現在のものとは全く互換性がないどころかリンクさえままならないものであり、有機的な運用がまったくできていない。ゆえに、犯罪者やテロをもくろむ連中の格好の潜伏場所になっていた。なのに、権利関係が絡まり合ってどうにもならなくなっていることで行政としても迂闊に手が出せない<アンタッチャブル>と化していたとも言えるだろうか。
とは言え、事ここに至ってはニューオクラホマ側も動かないわけにはいかず、秘匿された部隊である<サーペント>を極秘裏に運用するしかなかった。
なお、ここにきてようやく<サーペント>が動くことになったのは、それまでの混乱の影響ももちろんあったが、<標的>の特定に時間を要したというのもあった。<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>のメンバーらが使っていた端末は欺瞞されたものであって、追跡が困難だったというのもあったのだ。
けれど、ネットワーク担当者らの賢明な努力により、ようやく、<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>のメンバーらのそれと思われる端末を割り出したことで、サーペントが動けるようになったのである。
とは言え、本当にそれが<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>のメンバーのものであるかどうかは、実際に拘束してみないと分からないというのも事実。だからこそのサーペントの運用ということだ。超法規的な措置として、疑わしい者はすべて拘束。その上で精査して、<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>のメンバーかどうかを確かめるという流れだ。
このような運用が行われるため、サーペントに配備されたメイトギアは、メイトギアの規格で作られているものではあるものの、実際には、
<アームドエージェント>
と呼ばれる完全戦闘用ロボットに近い仕様になっているのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます