千堂アリシア、ふと思い付く
「現在、当機は、空港の安全を確認するため、上空にて待機しております」
「どうやら、<メイトギアショー>の会場近くで爆弾テロがあったみたいです」
千堂アリシアがニュースを傍受し、
「そうか。ここしばらく落ち着いてたみたいだが、またその手の連中が活動を開始したのか」
千堂も察し、呟く。するとアリシアがさらに、
「<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>と称する者達が犯行声明を出したそうです」
とも告げた。
「<人類の夜明け戦線>?」
「<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>です。どうやら<人類の夜明け戦線の志を継ぐ者>と自称しているようですね」
「またか……懲りないな……」
呆れた様子の千堂が、頭を抱える。とは言え、活動してる者達は大真面目だろうから、あちらにしてみれば千堂のこの態度こそが理解できないものだろうが。
そこに、
「空港の安全が確認されたとのことで、ただ今より着陸を開始します。シートベルトの装着をお願いします」
改めてアナウンスが。それを受けて、千堂とアリシアは座席に座り直し、シートベルトを装着、プライベートジェットは、無事に空港へと降り立った。
それからすぐに迎えの車に乗り込んで、ホテルへと向かう。明日は、千堂とアリシアも、<メイトギアショー>の会場へと入る予定だ。加えてそこで、関係企業のエージェントと接見する予定である。
そうしてホテルに着き、部屋に入ると、千堂はそのまま風呂に入ることにした。
英資は、そちらにはコストを掛けたくなかったため、最低限の設備を備えているリーズナブルなホテルを選んだということだ。この辺りは、軍人であるがゆえに作戦行動中のことを思えばそれで十分という感覚もあるのだろう。
一方、アリシアは、
「少し、散歩してきていいでしょうか?」
浴室へと入った千堂にそう声を掛けた。
「ああ、構わないよ。でも、気を付けてな」
千堂はそう言うものの、本来の性能は発揮できていないとはいえ、要人警護仕様機である千堂アリシアに危害を加えられるような者は、そうそういるはずもなかったが。
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