ニューオクラホマ市長、『テロには屈しない』と宣言する
『テロか……』
『これは、警告である。ロボットに媚びる享楽的な
と。
「はあ!? 何言ってんだよこいつら!! メイトギアちゃんがいるから人間は幸せに生きてられてるんだろうが! こいつら本当にふざけてる!!」
事件の後、バスの運行も遅れたが辛うじてホテルに戻り、ニュースを見ていた英資が憤りの声を上げていた。
「お兄ちゃん、シャワー空いたよ」
ホテルに戻って夕食を済ませ、シャワーを浴びてようやく落ち着いたゆかりが声を掛けるものの、
「あ~もう! ほんっとに腹立つ! 俺がお前らを爆弾でぶっ飛ばしてやりたいよ! できないけど!」
まるで聞こえていないかのようにやはり騒いでいた。なので、
「お兄ちゃん! シャワー空いたよ!」
今一度、ボリュームを上げて告げる。
「お、おう…! そうか…」
やっと気付いてバスローブ姿のゆかりに振り返った。そうして、
「あーもう! あーもう! っざけんなっ!」
やはり悪態を吐きながらシャワー室へと向かった。英資が見ていたニュースでは、再度、自分達が遭遇したテロについて触れられていた。
「バッカみたい。ロボットをなくすことなんてできるわけないじゃん……!」
ゆかりもそう声を上げる。兄のようにメイトギアに入れ込むのはさすがにドン引くものの、今の人間の社会は、ロボットがいるから成立しているんだということを、ゆかりも察していた。だから、<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>の主張はまったく理解できない。
と、ニュースは、今度は、<人類の夜明け戦線R(リベンジ)>が<
「我々は、テロには決して屈しません! ロボットと力を合わせて会場内の安全をパーフェクトに守りきり、必ずやショーを成功させてみせます!
繰り返します! 我々はテロには決して屈しません!!」
ショーを主宰するニューオクラホマの<市長>が、拳を振り上げて宣言する様子が映し出されていた。
それを見たゆかりは、
『ロボットをなくすなんてことはできないけど、あのショーは、正直、ついていけないな。もうちょっとおとなしくできないのかな~とは思う』
などとも、考えていたのだった。
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