verse suggestive
何処へ向かうにしても 五月は私の前に黒い傘を差して待っているのです 何時も先回りして遠くから見てますので 私は五月の横顔も後ろ姿も見たことがございません だから煙草のフィルターまで灰になる様に 一端息を全て吐いてから吸い込むのです 遠くの五月は煙りを吐く度にテレビの砂嵐の様に容姿が乱れて 灰が落ちる度に頭部から削れていく 五月は遠くで私を覗いてるだけですが 私を蝕んでいくのです 私は雲が浮いてる空を見上げる 景色は何故か狭く 掻き回すのを止めた後のコーヒーの様に渦巻いていた 胸にその様な違和感を感じて 私は強く押さえるのです 日に日に頭を過ぎる数字が引かれていきます あれは五月に見せかけた案内人かもしれません きっと五月になったら 私は横顔や後ろ姿を初めて見るのかもしれません
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