麻痺

游泳の高速道路

岐路も知らずに速度をあげた

泡の内側回る都市に

亡者はしがみつき顔を植えて行く


受け皿の水は麻痺していて

燃やされた海で気化を忘れた

苛まれた理解の石

放物線を緑で描いた


指先から私達は消えて行くのは

差し延べられた時に最初に触れるから

あなたは銃を担いで飛び出した

戦場の様に雨粒が飛び交う嵐で


座らされていた私は

起上がり追い掛ける事も出来ず

つなぎ止める手も直ぐに外れるだろう

それ以前に私は脳の浴槽に麻痺していて

灯台はあなたの舟を見つけられなかった


夢を鑢にかけて

渇いた血から砂鉄を抜いて欲しい

瓶に敷き詰めて

渡り鳥の瞳の奥にしまわせて

そこから反転の海に流してくれれば

あなたは私を夜に

見つけるでしょう

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