シーランカンス

私は待っている何万年の古い海で

仲間を待っている

私の仲間も同じ事をしてる

出くわす訳は無いけど


ある魚は私を殺風景な海で言ったわ

「あなたはなんて形をしてるの」

海の都に向かいたいけど私はいけない魚


誰もが眠る夜に私は探し出す

同じ涙を流すシーランカンスを探しに


「海の葬儀場に住んでるよあんたらは」

万年生きた海亀は私にそう教えてくれた

皆尋ねているのだろう 私は深い海へと


私は初めてお月様に尾鰭を向けた

その見えない海へ お月様は遠くなる

私の仲間は何処にいるのだろう

全く姿が見えない 灯のする魚に尋ねると

私はその鋭い歯で噛み殺された

私は何処までも独りぼっち

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