短編詩#18

『愛について』

出来る限り同じ事をしたい人がいるんで

四角を買う事にしてその中で時間を分けた

君は僕よりも必要以上に大人だから

僕の疎かな考えに時々まいるみたいだけど

正直ねとあなたは薄く微笑む

僕は器用じゃないから君を望遠鏡に

女の形を知ろうとしている

だけどそれは無駄だと知った

違かったから側にいる

夜はどうしても体温が欲しくて

白くなるまで交通は止まらない

そう 互いに疲れていたいだけ




『声の独り歩き』

僕が買い物をしていると

声が道路を横切っていた

妬けに長い声で端を見るのに

暫くかかったのを覚えている

「あいつんちは人殺しの兄がいて

引っ越してきたんだってさ」

僕はその声を見られてはいけない気がして

ひたすら殴りつけていた

そして「人殺しの兄がいて」を剥ぎ

血まみれになった声を

折れた足で歩かせた




『そうならば』

人が死んで星になるのならば

星が死んだときそれはどうなるのかと言う事

雨が人々の悲しみと言うのならば

誰かが死んだ晴れの日は喜んでいるのだろうか

レーダーに映らないものを無いとするなら

そんな機能が無い僕の見る世界はないって事

昨日の様に末期の患者が語るのは

全ての過去は途切れぬ線であるという事

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