夏の檸檬に生まれた人たちは
「不思議でさ、正しいと思ってたのに周りからみたら俺はおかしい奴みたいなんだ。他人はもう一つの鏡だなんて言うけれども、どうも映っているのは違うみたいなんだよ。俺は、それに会わせた方が良いのかな?格好悪いと思うんだけど、何故か決まらないんだよ。格好悪いのに…」
(19歳:男性)
私達は生まれた時
夏の檸檬だった
それは切ない程
酸味の繊細で出来ている
本当は無邪気が果肉に詰まってるけど
それは周りを犯す
他の果物には分からない
季節に生きる
「今日も誰とも話せなかったのは、私がいけないのだけれど、私には協調性が無いからさ…こうして本と向き合って、昼休みは散歩して帰って来る。それが皆を不快にさせない私のするべき協調って奴なのかな?ハハハハ。」
(18歳:女性)
夏の檸檬は汚れない
そして腐らない
蛇口で受けた水を
自らの水分としない
水滴は頬をなぞり零れる
しかし檸檬はガラスに出来ている
余りにも皹割れやすい心を持つ
それ故臆病になりがちだ
道路の真ん中を歩けない
しかし摘み採られたがる
飛び込めない魚である
「短所を見付けて何が悪いの?私はそれだけ、正しくその人を見てるって事じゃない。そう、その人は性格が悪いって事よ。私がどうして悪者になるの?価値観で私を縛らないでよ!良い所ばかり見ようって態度。その人と向き合えてないんじゃないの?反ってその人に失礼じゃない?正面に見てないのは、あなた達じゃないの?そうですか…私はあなた達を可哀相に思う。群れて暇と名付けた明日や明後日の時間を共有して潰し会う姿が。』
(25歳:女性)
夏の檸檬は不器用である
縛られた箱を嫌い
息苦しいと城を内側に築く
鳥に憧れず空に憧れる
気紛れだが素直だと
そして忙しい頭を休める為に煙草を吸う
檸檬は摘み採られないと
沈んだ後に他者に歪む
求めるが独りの時が欲しい
難解なパズルをしてるが
説明書を要するが実は簡単だ
甘くなるだろう
「目立つってぇのかなぁ…なんてぇか、その…輪に入りたい事って有るじゃん?…お前にゃ分からないだろうな。当たり前に出来てんだから。俺は、自然じゃなかった。どうしても入りたくて、仲間って言葉を自分の中に欲しくて、自分に合わない事、何でもした。だけど、周りってさ個性が無いからさ同調しちゃうんだよね。可愛いと誰かが言えば可愛い娘になって、面白いとなればそいつは皆から面白い人になるんだよ。俺は、そうはなれなかった。学生時代の奴等とは会って無いよ。机に花を置いて知らん顔する奴等なんかにはさ。だけど、こうして皆と出会えて嬉しい。駄目な奴だと思って生きて来た俺を、仲間として全て受け入れてくれた。だから、俺は皆の為に尽くす。高め合う友達でありたい。」
(30歳:男性)
夏の檸檬は無理に身体を絞る時が来る
他人が恐れる事もする時がある
そこには結局人が好きな故の
愛の自己犠牲を生まれながらに持ってる
人の多くは掴めぬと投げ捨てるが
声以上に接する優しさを持っている
檸檬は自分を知ってもらいたい
興味を持ってもらいたい
その人の掛け替えの無い人になりたがる
そしてそれは必ず実る事を知らない
「絵を描いて、詩を書いて、音楽を聴いて、本を読んで、分かってくれる人がいて、自分が自分らしくあれれば私は幸せだ!!そして、出会えた事に感謝です!!」
(14歳:女性)
夏の檸檬は数が少ない
だから表現に触れて
だから表現を行なう
本当は素直である
ただ人は余りにも
檸檬である者が少ない
檸檬は知りたがる
檸檬は欲しがる
檸檬は檸檬を
「 」
(匿名希望)
夏の檸檬は
ここから広がる
夏の檸檬に生まれた人達は
立ち止まり忙しく広げる
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