早朝の通り魔
ランニングにする為の私宅をして
太陽が顔を出す頃
僕は家の玄関から走り出す
家族はまだ眠っていて
「行って来ます」
木霊が家の壁に反射を繰り返し
それが無くなるまで
見守ってから走り出す
返事は返っては来なかった
この時ばかりは暖さに
草は身体を水滴で濡らしていた
僕の服がそこを撫でるから
水滴は先を伝い零れるんだよ
見知らない男がコートを来て
車が余り通らないこの場所で
やたらと気にして左右の確認をする
僕は少しの不安を眼に入れながらも
足を止める事は無かった
「この辺に一階建ての家はありませんか
そこに用事が有りまして」
眼が泳いでいた
いや波に飲まれる様だった
僕は眼を見ない様に
近所の一階建ての家を教えた
男はお礼を言うと
お腹を押さえながら歩いて行った
気味が悪いと思いながら
反対方向へ僕は足を歩めた
ランニングの帰り
男に会ったT字路
男の向かった先が慌ただしかった
僕は先程の不安が形に現れた気がして
サイレンの強くなる方へと
足を走らせる
一階建ての家はブルーシートや
立ち入り禁止のテープと警察や救急隊員に
囲まれていて
それを包む様に野次馬がたかっていた
僕はその中の一人
不審な人を見掛けた人は居ないそうだ
僕はそれに当たる人物と接触したけど
僕が教えたばかり
ここの家族が皆殺しにされたと思うと
僕は逃げる様に現場を後にするしか無かった
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